高齢出産が抱えるリスクとは。胎児への影響からキャリアまで

最終更新日:2015年5月8日

晩婚化傾向にある日本では、初めての出産も高齢化しています。
婚期が遅いことと、結婚後も仕事を続ける女性が増えている事が大きな要因です。

高齢出産とは35歳を過ぎての初産を指しますが、その高齢出産には様々なリスクが潜んでいます。

1.妊娠期におけるリスク

女性にとって妊娠から出産まではある意味命がけとも言えますが、病気と違ってあまり意識されることはないかもしれません。

それでも妊娠期には普段と違った体調の中で出産に向かわなければなりません。
自分のお腹の中に新たな命を育んでいるのですから、体調には気を付けたいところです。

それでも避けられない妊娠期の体調不良があり、症状がひどいと母子共に命の危険にさらされることもあります。

特に高齢での妊娠ではそのリスクが高まります。
体力面で劣ることなどが原因と考えられます。

主な症状は妊娠中毒症と呼ばれていたもので、現在は妊娠高血圧症候群と呼ばれます。

妊娠期中は胎児へ血液を送るために血流が増えるのですが、その際に血管が拡張せずに血圧が高くなることで起きます。
脚のむくみや尿にタンパクが出たりします。

症状が悪化すると、早産や死産の割合も増えて母子共に命に危険がおよぶこともあります。

このように高齢出産に向けた妊娠期は母子共に負うリスクが高くなります。


2.胎児への影響

ダウン症という言葉を聞いたことはないでしょうか?先天染色体異常とも呼ばれるものです。
ダウン症の新生児は半数が心臓に異常が見られ、知能や運動の発達の遅れも見られます。

ダウン症は受精卵が成長していく段階で、染色体に異常をきたすことで起こります。

全妊娠期に見られるものですが、高齢になるとその発症の確率が高くなります。

20代での妊娠で0.1%ほどに対して40代での妊娠では1%に高まります。

なぜこのようなことが起こるのか?それは受精前の卵子に原因があるようです。

卵子は女性が生まれた時に体内に作られていて、成長に伴って作られることはありませんから、妊娠出産の年齢が高くなればそれだけ卵子が老化しているということなのです。

老化した卵子が必ずしも異常を起こすわけではありませんが、やはり抱えるリスクは高くなるのです。

3.高齢出産は難産になる可能性も

高齢での妊娠はさまざまなリスクをクリアしながらの生活です。
若い頃に比べるとやはり体力面でも不安は増すものです。

そのような中でようやく分娩の時期を迎えるのですが、そこにもまた高齢出産に伴う危険があるのです。

高齢出産は難産というイメージが持たれていますが、実際に高齢出産では産道が充分に柔らかくならず、また骨盤も開きにくく、分娩に時間がかかることも多いのです。

分娩に時間がかかりすぎて、吸引による分娩や、自然分娩から帝王切開に切り替えての出産も多くなるのです。
または高齢出産によるリスクを考え、初めから帝王切開を選択する産婦も多いのです。

吸引や帝王切開が必ずしも自然分娩に比べて悪いとは言えないものの、胎児への影響は全く無いとは言えないのです。


4.育児への不安

高齢で出産をするということは、育児をする親の年齢も高くなるということです。
新生児から幼児期には育児に使う体力は相当なものですから、若い頃よりも体力面で劣る高齢出産は、育児においても不安を抱えることになります。

当然ながら生まれた子どもの祖父母にあたる世代も高齢化していますから、育児の援助も簡単に見込めない場合もあり、更にはその祖父母の介護と重なっての育児になることもあります。

このように、出産後も体力面などで不安を抱えることになるのが高齢出産なのです。
もっと長く考えると、子どもが成人する頃には自分が老齢期に入ることへの不安も考えられます。

高齢出産はそれまでに夫婦で資金を貯めておけるメリットはありますが、きちんとした計画が無かった場合には、退職時期など子どもの養育費や自身の老後の資金作りなどで不安を抱えることにもなります。


5.キャリアの妨げ

女性の就業率も高くなり、仕事にやりがいをもってキャリアを積み上げている女性も多い現代社会です。
男女の別無く働き、役職を得たり重要な仕事を任されている女性も多いでしょう。

特に高齢での妊娠まで仕事を続けてきた女性は、相当なポストに就いていたり収入面でも高額であったりするものです。

そこにきての妊娠で、変化は無いのでしょうか?
マタニティーハラスメントの問題提起がされ、妊産婦の就業や待遇が考えられるようにやってはきましたが、簡単に解決する問題ではないようです。

産後の復帰時期やそのポストを巡り、または子どもを預けながら働くことは女性にとってかなりのプレッシャーになるのではないでしょうか?

高齢出産のリスクを頭に入れつつ対処していこう

以上のように考えてくると、高齢出産がもつリスクはかなり大きなものです。

単に体力面から考えても若い頃よりも劣りますし、産後わずかで更年期に入ることも考えられます。
その際に更に高齢になった親に援助を頼めないどころか、介護も抱えてしまう可能性もあります。

また、職場復帰についても不安は尽きず、その後の働きかたも変わってくる場合もあるのです。

このように女性にとって高齢出産とは、簡単に解決できないさまざまなリスクが伴うものなのです。

こうしたリスクを頭に入れつつ対処していきましょう。