ポリプロピレンはどんな素材?収納用品や文房具に使われるポリプロピレンを知ろう

最終更新日:2017年1月10日

ポリプロピレンは、合成樹脂の中でも特に比重が小さくて水に浮かぶ程ですが、強度に優れていて、酸にもアルカリにも強い性質を持っています。

繊維として使われるだけでなく、包装材、文具、容器類、自動車部品など幅広い用途に使用されています。

また、オーストラリアを始め、いくつかの国ではポリプロピレン製のポリマー紙幣が流通しています。

このようなポリプロピレンですが、その材質の特徴を少し詳しく見ていくことにしましょう。

1.樹脂としてのポリプロピレンの物性

まずは樹脂としてのポリプロピレンの物性を、他の樹脂と比較してみましょう。

まず密度(kg/m3)は890~910で、例えばPCV(塩ビ)の1,650~1,720の半分程度です。

PA(ナイロン)の1,120~1,150に比べても小さくなっており、水に浮く軽さです。

耐熱温度は100~120℃で、ナイロンの150~180℃に比べると耐熱性が劣りますが、塩ビの60~90℃よりは優れています。

曲げ剛性は800~2,200Mpaで、ナイロンの1,000~4,000Mpaよりも低い数値となっています。

ロックウェル硬度は70~110で、他の樹脂より若干低めです。

軽量というのが、何と言ってもメリットです。

HDPE(高密度ポリエチレン)と共に、低価格というのも長所です。

また、リサイクル性に優れています。

一方、低温特性では劣っており、HDPEに及びません。

耐傷つき性では、ABS樹脂や塩ビが優れています。

難燃性では塩ビが優れています。

ナイロンは、耐薬品性、耐摩耗性に優れています。

しかし耐水性に難があります。

PC(カーボネート)は耐衝撃性、透明性が長所ですが、耐薬品性が劣ります。

このように各樹脂が一長一短な中で、長所が多いポリプロピレンの短所に、耐候性の低さがあります。

日光に当たると色が白く変わってしまいます。

また、接着剤を受け付けず、物を接着することが難しい素材ではあります。

2.繊維材料としてのポリプロピレンの特徴

ポリプロピレンは、繊維材料としても多用される素材ですが、ナイロンのように衣類に使用されることはほとんどありません。

ナイロンとの物性の違いから、うまく棲み分けが出来ているのです。

ポリプロピレンの繊維は、カーペットといった生活雑貨に使われたり、また産業用繊維としてロープやテントに加工されています。

ポリプロピレンのずば抜けた軽さ、優れた耐久性、そして水に濡れても水を吸うことなく、強度が変わることもなく、速乾性があることから、そのような用途に使用されています。

しかし、染めにくい素材であり、日光の紫外線の影響も受けやすいことから、衣類にはナイロンの方が合成繊維素材として適しています。

ただ、熱伝導率が低いポリプロピレンの保温性を活かして、アンダーウェアには使用されます。

更には水着、衛生用品、ビジネスソックスなどにも使用されます。

耐熱性の点で、アイロンやドライクリーニングはできず、干す場合も乾燥機に入れることはできず、自然乾燥だけというのも難点ではあります。

3.代表的用途はタッパーウェア

しかし、合成繊維としての用途よりも、むしろタッパーウェアに代表される容器類の用途の方がお馴染みでしょう。

コップやプランター、ゴミ箱、DVDケースといった色々な形の容器に成形されるほか、医療用注射器やケーブルの被覆材としても使用されます。

用途の幅広さで突出しているプリプロピレンですが、それは加工性が極めて優れた樹脂だからです。

一般に、プラスチックの成形には射出成形、押出成形、真空成形、ブロー成形などの製法があります。

このうち、射出成形の場合は、最初は高温で溶けた液体の状態の樹脂原料が成形金型内の隅々にまでいき渡ることが大切です。

そうでないと、意図した製品の形状が得られません。

この場合、メルトフローレートと呼ばれる指標の高い樹脂ほど、溶けた状態では流れ易く、金型内に充填し易いことになります。

それとは別に、押出成形の場合は、このメルトフローレートの低い樹脂の方が有利です。

溶けた樹脂が垂れにくいことが、メリットとなる為です。

そのような成形方法がある中で、ポリプロピレンという樹脂素材は、分子量を調節することによって、メルトフローレートの高いものでも低いものでも自在に実現できます。

このメリットのおかげで、ポリプロピレンは幅広い成形方法に使用でき、それがこのように様々な形の製品を実現できる理由です。

タッパーウェアとしては、電子レンジに入れても大丈夫なだけの耐熱性があり、また、酸やアルカリに耐える以外にも鉱物油や沸騰水にも耐性があり、色々な容器類の素材になり得るのです。

ポリプロピレンがどんな素材かを知ろう

ポリプロピレンは、樹脂素材として水にも浮く軽さと、にも拘わらず高い強度を有するという特徴があります。

繊維材料としては、ナイロンなど程は多用されませんが、ナイロンと異なるメリットのおかげで棲み分けができていて、ポリプロピレンはカーペットやロープ、テントに使用されるほか、保温性が良いのでアンダーウェアにも使用されます。

しかし、何と言ってもタッパーウェアなどの容器類の素材としてお馴染みです。

ポリプロピレンは、分子量を調節することによって、溶けた状態での流れやすさを表す指標であるメルトフローレートを自在に変えることができ、射出成形にも押出成形にも向いた素材です。

そのおかげで、多様な形状の製品に成形できますし、その時に耐熱性、耐薬品性というメリットも十分に発揮されるのです。