冷蔵庫の寿命は10年!実は冷蔵庫を買った時期にもよる

24時間1年中休まず稼働し続ける冷蔵庫は日常生活になくてはならない家電製品の1つです。

さまざまな家電製品の中でも冷蔵庫は長く使い続けられるように設計されているとは言え、機械は寿命を迎えることが避けられません。

冷蔵庫の寿命は平均10年

冷蔵庫の寿命について書かれた情報を見ると、7年や8年という説もあれば、15年から20年持つという説まで幅があります。

冷蔵庫の使い方によっても持ち具合が違ってくるため一概には言えませんが、概ね8年から10年というのがそれらの情報を総合した平均的な数字です。

大手家電量販店でも冷蔵庫を購入した際に有料で加入できる長期保証として、冷蔵庫には10年保証を用意している店が少なくありません。

10年という格段に長い保証期間が設定されているのは、店側も消費者側も冷蔵庫の寿命を10年程度と考えている証拠です。

冷蔵庫が8年から10年を過ぎるとすぐに寿命を迎えて使えなくなるかと言えば必ずしもそうではなく、20年も同じ冷蔵庫を使っているという家も珍しくないものです。

逆に言えば8年に満たないうちに故障が発生した場合は冷蔵庫の寿命ではなく、不具合の生じた個所の部品さえ交換すればまだ使えるということになります。

昔の冷蔵庫は20年持つのが普通

一方で昔の冷蔵庫と比べて最近の冷蔵庫は壊れやすくなったという声もありますが、これは冷蔵庫の心臓部となるコンプレッサーの方式の違いと無関係ではありません。

一般的な家庭用電気冷蔵庫の多くは気化熱の原理を利用して庫内を冷やしており、冷媒がヒートポンプ内を移動する間に液体から気体へと変わる仕組みが採用されています。

気化した冷媒を圧縮して再び液体に戻すのに使われるのがコンプレッサーと呼ばれる圧縮機で、以前の家庭用冷蔵庫ではレシプロと呼ばれる方式が主流でした。

レシプロコンプレッサーはピストンを使った往復運動で冷媒を圧縮する方式のため、騒音や振動が大きくなるという欠点があります。

レシプロ方式のコンプレッサーは音がうるさく消費電力も大きい反面、丈夫で長持ちするのが特徴です。

そのため一昔前の冷蔵庫では購入してから20年経ってもまだ使えるというケースが珍しくありませんでした。

コンプレッサーの違いで寿命が10年程度に短縮

昔の冷蔵庫と比べて音が静かになり、消費電力も格段に少なくなった最近の冷蔵庫には、大半の機種でロータリー方式のコンプレッサーが採用されています。

ロータリーコンプレッサーは往復運動ではなく回転運動で冷媒を圧縮するのが特徴で、スクリュー式やスクロール式クロー式などの種類があります。

静音設計で振動も少ない点がロータリー方式の長所ですが、構造が複雑なため耐久性という点ではシンプルな構造のレシプロ方式と比べると劣ります。

これがコンプレッサーの寿命に大きく影響しており、最近の冷蔵庫が昔の冷蔵庫ほど長持ちしなくなった一因とも言われているのです。

レシプロコンプレッサーを採用した冷蔵庫は20年持つのも普通でしたが、ロータリーコンプレッサーを使用する最近の冷蔵庫は寿命が10年程度へと短縮されています。

性能向上による代償として冷蔵庫の寿命は昔よりもかえって短くなったとは言え、それも時代の要請だと言えます。

メーカーの想定する寿命は9年

冷蔵庫も含めた家電製品の寿命を考える上で1つの目安となるのは、故障が発生した場合に購入から何年目まで修理ができるかという点です。

冷蔵庫を構成している部品の中でもドアパッキンは特に壊れやすく、1年から2年に1回は交換した方がいいと言われています。

不具合が発生した部品をその都度交換することで冷蔵庫本体は長く使い続けられますが、それも一般的には9年が限度です。

冷蔵庫を製造している大半のメーカーでは修理の際に使われる補修用性能部品の保有期間を9年としており、その期間を過ぎると修理ができなくなります。

運良く故障が発生せずに10年以上も持ちこたえる例はありますが、冷蔵庫の発売から9年以上が経過した機種は故障した時点で寿命を迎えたことになります。

家電製品の補修用性能部品保有期間はメーカーによって異なります。

例えばパナソニックではエアコンが最も長い10年に設定され、冷蔵庫の9年というのは2番目に長い年数です。

補修用性能部品保有期間内に修理すれば10年以上持つ可能性も

冷蔵庫が故障した場合に修理するか新品と買い換えるかを判断する基準として、修理代がどれだけかかるかという点も挙げられます。

冷蔵庫の中でも心臓部となる冷媒回路が故障した場合は、メーカーによっても異なりますが修理代が10万円近くに達する例も珍しくありません。

コンプレッサーを含むこの冷媒回路につていては5年保証としているメーカーも多く、この期間内なら修理代を負担しなくても済みます。

購入した店で10年保証などの長期保証に加入していた場合でも、条件次第では無償または少ない費用で冷媒回路を修理してもらえるものです。

冷蔵庫はドアを頻繁に開閉したり庫内に食品を詰め込みすぎたりすると、冷媒回路に大きな負担がかかって故障しやすくなります。

冷えが悪くなったり異音が発生したりするような症状は、冷蔵庫の寿命が近づいているという前兆です。

コンプレッサーに負担をかけない使い方を心がけていれば、平均寿命を上回る10年以上冷蔵庫を長持ちさせることも十分に可能です。

寿命がきた冷蔵庫を買い換えよう

最近の冷蔵庫は昔ほど長持ちしなくなったと言われますが、消費電力は10年前の機種と比べて半分以下です。

冷蔵庫は長く使うほどお得のように思われがちですが、省エネ性能の進化を考えるとそうとも言い切れません。

購入から8年以上経った冷蔵庫はそろそろ寿命と判断し、消費電力の低い最新機種と買い換える人も増えています。

 

    「冷蔵庫の寿命は10年!実は冷蔵庫を買った時期にもよる」への感想コメント一覧

  1. 1. ぴょんぴょん2018/04/28(土) 19:25

    静音にして振動の少ない設計にすると、構造が複雑になり耐久性に問題が出てくるなんて知りませんでした!時代のニーズに合わせて変化しているんですね。冷蔵庫の持ちを少しでも長くするために、詰め込み過ぎないことも大事なんですね!電気代の問題だけかと思っていたので、読んでおいて良かったです。

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