ポリエステルってどんな材質?耐久性や肌触りなど

最終更新日:2017年1月8日

合成樹脂繊維の中で、ナイロンの名前で知られるポリアミドよりも更に世界での生産量が多いのが、ポリエステルです。

ポリエステル樹脂の中にはPET、つまりポリエチレンテレフタラートもあり、ペットボトルの材料にもなっているのでお馴染みですよね。

ここでは繊維としてのポリエステルを、二大合成繊維の一つ、ナイロンと比べて、材質としての特徴をご紹介します。

1.一般的な物性を比較してみる

二大合成繊維のポリエステルとナイロンですが、こまかく物性を見ると、違いがあります。

例えば耐熱温度は、ポリエステルが160℃前後なのに対し、ナイロンは140℃前後にとどまっています。

耐薬品性では、ポリエステルはアルカリには弱く、ナイロンは酸性に弱くなっています。

剛性はポリエステルの方が優れていますが、引っ張り強さはナイロンの方がまさっています。

染色、着色は、ナイロンでは行い易く、ポリエステルは染めにくくなっています。

また、ポリエステルは燃えやすいのに対し、ナイロンは難燃性です。

2.繊維ロープの材質として、比較してみると

普段の生活で、ポリエステル単体とナイロン単体を比べることはなく、それぞれの製品になった形で触れる機会がほとんどなので、具体的な製品を例にとって、ポリエステル製とナイロン製とを比較した方が、わかり易いですよね。

そこで、繊維ロープで比較してみることにします。

強度は、ナイロンロープが一番強いです。

一方、ポリエステルロープは手触りが綿に似ているので強度が弱そうに思われますが、意外に強度があります。

ただ、ナイロンには劣ります。

吸水性では、ナイロンはよく水を吸いますが、ポリエステルは吸いません。

水に濡れると次第に硬くなるナイロンに対し、ポリエステルは硬くなりにくいという違いがあります。

耐熱性で比べると、軟化点がナイロンロープでは180℃に対し、ポリエステルロープでは235℃と高くなっています。

耐薬品性、耐候性ともに、ポリエステルは特に優れていて、ナイロンを上回ります。

3.デンタルフロスの材質としてのポリエステル

デンタルフロスは、近代的なものは1815年にアメリカの歯科医によって考案されたと言われています。

当初は絹製でした。

絹であれば柔らかく、歯を傷めないので良いとされていましたし、今でも環境に優しい素材として、使うわれることがあります。

しかし、第一次世界大戦の後はナイロン製が主流となっていきました。

耐久性でナイロンの方が優れていて、絹よりも切れにくいことが評価されました。

そのように丈夫なナイロンですが、それだけ材質は固く、歯間に入れる時に痛みを感じることもあります。

その点、ポリエステル製は柔らかく、歯間に入り易く、歯を傷めることもないので、ナイロン製に取って代わるようになりました。

ナイロンもポリエステルも繊維(フィラメント)の束の形となっているわけですが、そのフィラメントを比べると、ポリエステルの方が強くて伸縮性があり、よく広がります。

歯間に入れた時、食べカスや歯垢を取り去る力が、ポリエステルの方がまさっているのです。

4.衣服の材質としてのポリエステル

普段の生活で一番馴染みのある用途は、衣服でしょう。

物性のところで紹介したように、染色し易いのはナイロンの方です。

耐候性では、ポリエステルがまさっています。

紫外線に当たると、ナイロンは劣化していきます。

日光に当たると黄変します。

肌触りは、弾性率が小さいナイロン製の方が優れています。

洗濯して伸び縮みがない点では、ポリエステルが優れています。

ただ、静電気を帯びやすいことから、ポリエステルでは毛玉が出来やすいのです。

しかし、ナイロンも静電気は比較的発生し易い繊維です。

虫害やカビに対する強さでは、ポリエステルもナイロンも共に強い素材です。

吸湿性が低い点も、両者共通しています。

こうした特徴から、ポリエステル繊維はフリースや裏地、学生服に使用され、ナイロンはストッキングや水着、スポーツウェアに使用されます。

綿に近いポリエステルと、絹に近いナイロンということで、棲み分けができているわけです。

5.ポリエステル100%ではない高機能製品も

ただ、色々な種類の合成繊維がそれぞれ長所と短所を持っている為、単体で材質として使用するだけではなく、各種取り合わせて良いとこ取りする使い方も少なくありません。

スポーツウェアや登山用ウェアなどの用途には、高機能繊維が求められますが、その場合はポリエステルやナイロンの単体そのままではなく、繊維に更に特殊な加工をしたり、機能剤や加工剤といった別の化学物質を練り込んだり、複数の繊維を混ぜ合わせたりして、必要な性質が得られるようにしています。

登山用ウェアなどでは、吸水性、吸湿性、速乾性といった性能が命に関わる大切な性能となりますが、そうした性能は、一つの合成繊維単体で実現できるわけではないのです。

ポリエステルはどんな材質なのかを知ろう

ポリエステルは世界で最も生産量が多い合成繊維で、それに続くのがナイロンです。

強度の点でナイロンが優れていますが、水を吸う為、次第に固くなっていくのに対し、ポリエステルは水に濡れても品質は変わりません。

デンタルフロスという用途では、最初は丈夫で切れにくいナイロンが絹に代わる材質として主流でしたが、歯間に入り易く、歯を傷めない柔らかさを持つポリエステルがそれに取って代わるようになりました。

そして、高機能製品の場合は、一つの合成繊維単体ではなく、複数を組み合わせて、更に別の化学物質も練り込んで高性能を実現するようになっているのです。