職場の上司が人事異動になる場合、なんらかの形でメッセージを送ることが多いでしょう。
これまでお世話になったお礼などを述べるのが一般的ですが、できればより強く、上司の心に届くメッセージにしたいもの。
上司にメッセージを送る形式としては、「メール」「送別会などでのスピーチ」「寄せ書き」などがありますが、ここでは、どんな形で送るにしても、盛り込むと上司に喜んでもらえるオススメメッセージをご紹介します。
あの時は本当にありがとうございました
部下が上司に送るメッセージの基本は「これまでのお礼」です。
つまり「お世話になりました。ありがとうございました」という文言が、メッセージの核となると考えていいでしょう。
それだけに、誰もが使う言葉であり、そうした文言を入れただけでは、上司に好印象を持ってもらうことはむずかしいでしょう。
そこでオススメしたいのが、具体的なエピソードを盛り込んで「あの時は本当にありがとうございました」と、改めて感謝の意を伝えるというやり方です。
例示しましょう。
「こちらの部署に配属されて間もないころ、仕事がなかなか覚えられない私に対して、粘り強く繰り返し仕事のノウハウをレクチャーしていただきましたこと、一生忘れません」「ちょうど1年前になります。私のミスで○○社に大変な迷惑をかけてしまったとき、謝罪に課長もご同行していただき、私に代わって頭を下げていただきましたこと、今でも心から感謝しております」
こうした具体的エピソードを盛り込んで「ありがとうございました」と伝えれば、上司の心にずっと届きやすくなるでしょう。
教えていただいた言葉を座右の銘にします
すべてとはいいませんが、ほとんどの上司は部下に対して、仕事に関する訓示というものをします。
その中には、いわゆる「人生訓」のようなものも含まれるでしょう。
あるいはそれが、上司の口癖のようになっているケースも少なくないはず。
例えば、「人にも自分にも厳しくあれ」とか「時間厳守。
約束の時間に遅れることは、相手の時間を盗むということだ」「常に正直であれ」「反省は大いにしろ。後悔はするな」などなど。
普段からよく耳にしている、そうした上司の訓示を、メッセージの中に盛り込みましょう。
そして「教えていただいたあの言葉を、私は生涯の座右の銘にするつもりです」と続けるのです。
自分の大切にしている人生訓が部下の座右の銘になっているのですから、そう言われてうれしくないはずがありません。
○○課長を目標にがんばります
上司に対する直接の感謝ではなく、自分の決意を述べることで、結果として上司に好印象を与えるやり方もあります。
端的で思いが伝わりやすいのが「○○課長を目標にがんばります」というメッセージ。
「○○課長」のところには、もちろんあなたの上司の名前と役職名が入ります。
社会人にとって、部下や後輩から目標にさせるほど、自尊心を満足させられることはありません。
どんなに自分に厳しい人でも、部下から「目標です」と言われれは、つい口元がほころんでしまうでしょう。
そして、この一言がそのまま、これまで受けた指導へのお礼の意味も持つのです。
もし、寄せ書きなっどで「一言メッセージ」を書くことになったら、もっとも簡潔でもっとも効果的な「一言」ということができるでしょう。
○○課長のいない職場は想像できません
上司の存在感を強調するメッセージも、同じように上司の自尊心をくすぐることができます。
「あなたのいない職場など、想像もできません」という書き方がオススメ。
「名残惜しいです」というよりも、ずっと強く印象に残る表現ではないでしょうか。
このバリエーションには「○○課長が異動されることになり、さみしくて仕方ありません」と、名残惜しさを感情的に表現する方法もあります。
さらに「課員一同、力を合わせて、このさみしさを乗り越えていきます」と続けるのもいいでしょう。
「それほど大きな喪失感だ」ということを表現するわけです。
いつかまた、ご一緒にお仕事したいです
これまでの感謝と、今の名残惜しい気持ちを、将来の希望に託すというのも、高度にして効果的な方法です。
オススメなのが、「できるだけ近い将来、またご一緒にお仕事したいです」というメッセージ。
ただ「さみしい」というよりも、ずっと印象的な表現であることがおわかりいただけるでしょう。
ここではあえて「お仕事したいです」という言い方をしました。
おそらく「上司に送るメッセージなのだから、「お仕事させていただきたいです」という、よりていねいな表現のほうがいいのでは?」と思われたことでしょう。
たしかに、一般的にはそうですが、そこをあえて「したいです」という生硬な言葉を使うことによって、「思いの強さ」を際立たせるのです。
異動する上司へのメッセージで好印象を与えよう
ここでは、異動する上司に送るメッセージで、特に好印象を与える効果のあるものを5種類紹介しました。
寄せ書きなどに書く短い一言メッセージなら、このうちの一つを、そうでなく、ある程度の長さが許されるメッセージなら、複数を組み合わせて文章を作るといいでしょう。
「異動する上司への送別メッセージ。好印象を与える方法」への感想コメント一覧
1.のような具体的なエピソードは自分がもらってとても嬉しかったので、私も実践しています。定型的な内容よりも時間がかかりますが、今までの感謝の気持ちがあれば苦はないですよね。