退職時の挨拶のポイント。感謝と陳謝をしよう

最終更新日:2015年8月4日

退職が決まると、いくつかのシーンで「挨拶」をすることになるのが通例です。

正式に退職が決まったタイミングや送別会、さらには退職するその当日の朝礼など、少なくても一度は挨拶をすることになるでしょいう。

ここでは、退職者が挨拶をする際に、ぜひとも押さえておきたい5つのポイントをご紹介します。

1.退職の挨拶に盛り込むべき内容は、2つの「謝」

まず、退職の挨拶でどんなことを話したらいいのか、盛り込むべき内容について基本的なポイントを紹介しましょう。

それは、2つの「謝」、すなわち「感謝と陳謝」です。

これまでお世話になった人を前にしての挨拶なのですから、「感謝」の意を表することは言うまでもないでしょう。

「長い間(もしくは「短い間ではありましたが」)、本当にお世話になりました。ありがとうございます」と感謝の意を表するのが、退職の挨拶のメインの内容になります。

それと同時に、もう一つの「謝」、つまり「ご迷惑をおかけしたこともありました。すみません」という気持ちも伝えるようにしましょう。

これが、意外に忘れがちな、しかし重要なポイントです。

送る側にしてみると、「あんなに面倒を見てあげたのに」とか「ミスのリカバリーをしてやったのに」と思っているケースが少なくありません。

ですから、ただ「ありがとうございました」というだけでなく、「ごめんなさい」という一言を付け加えたほうが、格段に印象がよくなるのです。


2.職場でのエピソードを交える

そのような2種類の「謝」を挨拶として述べる際に、有効なのが「具体的エピソード」です。

漠然と抽象的に「ありがとうございました」「ごめんなさい」というよりも、そこに具体的なエピソードを盛り込んだほうが、聞き手の心に届きやすくなります。

例えば、「こちらに配属されて、最初に任された仕事でさっそく大失敗をしてしまいました。あの時は、私のミスのリカバリーのために、課長を始め皆さんにご迷惑をおかけしました。5年前のあの失敗を、私はいまでもはっきり覚えています。そして、その経験が、私を成長させてくれたのだと思っています」というように話しましょう。

あるいは、「初めての社員旅行でこんな経験をした。あの時、自分なりに「社会人になれた」と実感した」というようなエピソードでもいいでしょう。

直接仕事に関係することでも、社員旅行のようなことでもかまいません。

そのリアルな経験談を持ち出すことで、聞き手に「ああ、そういうこともあったな」「そうだったな」と共感してもらえるのです。


3.短く簡潔に

内容としては、上記のようなものになるのが、退職時の挨拶の基本と考えていいでしょう。

その上で、意識する必要があるのが、挨拶のボリュームと時間です。

退職というのは、その当事者にとっては人生に幾度もない大イベントです。

けれど、当事者以外にとっては、別にたいしたことではありません。

よほど親しい同僚や、人間関係が濃密であった上司や後輩でない限り、「涙で送る」ということにはならないでしょう。

ここが、ポイント。

つまり、話を聞く側のほとんど人が「大した出来事ではない」と思っているのですから、退職の挨拶はできるだけ簡潔に、手短にすますべきです。

定年退職であれば「感慨ひとしお」ということもあるでしょう。

そのため、万感胸に迫るということもあるにちがいありません。

それは、聞き手も理解できますから、ある程度話が長くなっても許されるものです。

けれど、それ以外の理由で退職する場合は、「とにかく手短に」というのが、挨拶の大原則です。

特に、寿退社の場合は、それを面白くなく感じている同性社員もいるかもしれません。

ですから、「おかげさまで、婚活が実を結びました」といった、結婚そのものに関する文言は含めないほうがぶなんです。

あくまでも、上記の「2つの謝」に限定した、簡潔な挨拶をこころがけましょう。


4.明るすぎず暗すぎず

話し方や表情は、「すぎないこと」を意識するといいでしょう。

あまり明るすぎると「そんなにこの職場を去ることがうれしいのか」と思われてしまいますし、逆にあまりに暗すぎて、滂沱の涙を流すスピーチになってしまうのも考えもの。

あたかもワンマンショーのような雰囲気になってしまいます。

ある程度、感情を表す必要はありますが、「ほど」をわきまえた表情や表現を意識するようにしましょう。


5.主役は直属の上司、と意識する

もう一つのポイントは、直属の上司へきちんと謝意を伝えることです。

退職の挨拶をする際、「主役は自分ではなく、これまでお世話になった直属の上司だ」という意識を持つと、うまくいきます。

その上司が良い気持ちになるだけでなく、セクションの同僚や先輩、後輩、さらには上長まで、「よかった」という気持ちになれるのです。

たとえ、それまで上司との関係がうまくいっていなかったとしても、最後に「心よりの感謝」を上司に伝えれば、最高の引き際になることでしょう。

退職の挨拶をきちんとしよう

退職の挨拶は、ともすると自己満足のリサイタルになりがちです。

そうならないためには、「自分は主役ではない。主役はこれまでお世話になった先輩や同僚、後輩のみなさん、そして、直属の上司なのだ」という意識を持つ必要があります。

心のこもった、そして、聞く人が納得できる挨拶は、その意識から生まれるのです。