「まあ」が口癖な人の性格や心理

最終更新日:2015年8月4日

「まあ、そんなところでいいんじゃない」「まあ、そう言わずに」「まあ、なんとかやってます」など、言葉の頭に「まあ」をつける癖のある人が少なからずいます。

誰でも時には「まあ」をつけることはありますが、それが癖になっている人には、独特の心理が働いていると考えていいでしょう。

では、どんな心理から「まあ」を連発するのかご紹介します。

1.ことを穏便にすませたい、荒立てたくない

まず挙げられるのが、「何事も穏便に」という心理です。

争いやトラブルを好まず、常に平穏であることをよしとする人が、「まあ」を多くつかう傾向があります。

例えば、職場の上司に退職を願い出たとしましょう。

それに対して「まあ、そんなこと言わずに、考え直してみたら?」と返答する上司に、「穏便にすませたい」という心理が強く働いていることは、まちがいないでしょう。

心の中では「今、この部下に辞められたら、自分のマネジメント能力が疑われる」とか、「新しいスタッフを募集しなければならず、めんどうだ」など、自分の不利益になることを想像しています。

そして、「そんなことにはしたくない。

何とか翻意させたい」と考え、それが「まあ」という言葉に表れるのです。

トラブルが発生したときや、感情をあらわにしている人に対して「まあ」を多発するのも、つまりは「ことを荒立てたくない」という心理によるものと考えていいでしょう。

この心理は「ことなかれ主義」に通じるケースが多く、その心理のために、かえって「こと」が大きくなってしまうということも少なくありません。


2.「自分のほうが大人である」という上から目線

それとは違う種類の心理もあります。

例えば、感情的になっている人に対し、「まあ、そうカリカリしないで」とか、「まあ、そんな興奮しないで、ここは少し落ち着こうよ」という言い方をする人がいるでしょう。

そう言われた人は、その言葉に感情を害すにちがいありません。

「なにを偉そうに」と感じるからです。

その「偉そうな感じ」は「自分もほうが大人だ」という上から目線から生まれるものです。

言われたほうは「自分が下に見られている」ということを瞬時にしてキャッチしますから、「偉そうに」と思い、腹を立てるわけです。

ですから、多くの場合、立場の上の人が下の人に「まあ、落ち着いて」というような言い方をします。

しかし、例えば、部下が上司に「まあ、そんなに感情的にならないでくださいよ、課長」というケースもあるでしょう。

その場合、その発言者は普段から上司を人間的に下に見ている、自分のほうが精神的に大人であると考えているのです。

こうした「まあ」には、相手をたしなめたり、嘲ったりする心理が隠されています。

「まあ、こどもじゃないんだから」とか、「まあ、お互い、いい大人なんだから」いう言い方には、相手に対する明らかな「嘲り」が含まれているわけです。


3.気持ちが冷めている、本気ではない

何か言われたり聞かれたりした場合に、「まあ」から始まる返事を返すこともあります。

例えば、部下が上司に仕事上の案件について具申したとしましょう。

「ここはもっとこうしたらいいんじゃないでしょうか」というような進言です。

その際、上司が「「まあ、考えておくよ」と答えたとしたら、部下はおそらくがっかりするにちがいありません。

この「まあ」には、「その件に関しては、あまり乗り気ではない。

ほんとは真剣に考える気持ちがない」というニュアンスが含まれるからです。

逆に言うと、本気で考えようとしている場合に、そうした「まあ」を用いることはないのです。

また、何か意見を求められ、それに答えたあと、最後に「まあ、こんなとこじゃないでしょうか」という言い方をする人もいます。

この「まあ」も、「断言できる自信はありません。

とりあえず、こう答えましたが、まちがっているかもしれません。

まあ、どうでもいいです」という心理が含まれていると考えていいでしょう。

いずれにしても、「対象となる案件に対して気持ちが冷めている、本気ではない」という心理が働いているのです。


4.軽い否定を、それとなく含ませている

さらに、あいまいで微妙な心理もあります。

この会話例をお読みください。

「元気そうだね」「まあ、なんとかやってます」いかがでしょうか。

相手から「元気そう」と指摘されたとき、自分でも元気だという自覚があるなら、「はい、元気です」と答えるはず。

それを「まあ、なんとか」と答えるのは、「実はそうでもないんです」という含意によるものです。

ストレートな表現を避けようとするのは「まあ」を口癖にする人の、最大の共通心理ですが、その典型例がこの場合の「まあ」だといっていいでしょう。

「まあ」が口癖な人は日本人らしさがあふれている

ここでは、「まあ」を口癖にする人の心理について、一般的な4つのケースを紹介しました。

その多くは「日本人的心理」と言っていいでしょう。

「まあ」には、多くの場合、ことを穏便に済ませようとしたり、ぼかした表現にしようとしたりという、いかにも日本人的な心理が隠れているのです。

さらに、「自分のほうが大人」という上から目線も、「慇懃無礼という日本人の特性によるもの」と考えることもできるでしょう。