人の話をメモを取りながら聞くということがあります。
ビジネスシーンで特に多くみられることですが、ビジネス以外でも、たとえば人から料理のレシピを教わるときなどは、メモを取ることが多いでしょう。
では、どのようにメモを取ると相手に好印象を与えることができるのか。
ポイントを5つご紹介します。
事前に「メモを取らせていただきます」と伝えましょう
特に目上の人から何かを教わったりする場合、まず最初にしなければならないのは、メモを取ることを了承してもらうことです。
たとえば、初対面の人の話を聞くのに、黙ってメモを取り始めるのはマナー違反。
それがプロの記者やインタビューアーによる取材であれば、メモを取ることは相手も当然と考えます。
けれど、そうではない一般的なビジネスシーンやプライベートでのレクチャーなどでは、いきなりメモを取るべきではありません。
話を聞き始める前に、「メモを取らせていただきます」と一言断りを入れるようにしましょう。
相手が「NO」と言うケースはまずありません。
ほぼ100%「いいですよ」と答えるでしょう。
けれど、それが大人のマナーなのです。
嫁姑のような間でも「お義母さん、間違えて覚えるといけないので、メモを取らせてくださいね」と言うことによって、印象はずっと良くなるはずです。
視線は「相手の顔7割、手もと3割」を意識しましょう
メモを取りながら相手の話を聞くとき、なかなか難しいのが「視線」です。
ありがちなのが、メモを取ることに夢中になるあまり、相手の顔をまったく見ないというケース。
熱心さは伝わりますが、これでは人間同士の話という印象にはなりません。
相手はまるで、「記録マシーン」に向かって話しているような虚しさを感じてしまうことでしょう。
逆に、相手の目だけを見つめてメモを取り続けるのも、やや不自然な印象を与えます。
人の話を聞くときの視線は、「相手の目や顔」が基本ですが、ときおりメモをとっている自分の手もとにも視線を落とすのが、より自然なやり方です。
目安としては「相手の顔が7割、自分の手もとが3割」ぐらいの割合で視線を移すように意識するといいでしょう。
ときおり「相づち」を打ち、「合いの手」を入れましょう
これも、メモを取ることに夢中になってしまう、まじめなタイプの人がやりがちなのですが、まったく何の反応もしないで、メモ書きに専念するというケースも少なくありません。
人の話を聞くときは、適度な相づちや合いの手を入れるのが、ふつうの大人のふつうのマナーです。
メモを取りながらの時でもそれは同じ。
ですから、相手の話の「句読点」のところで相づちを打ったり、話の合間に「なるほど」「それは知りませんでした」「勉強になります」などの合いの手を入れるようにしましょう。
つまり「話を聞く」「メモを取る」「相づちや合いの手を入れる」という3種類の行為を同時に行うわけですから、はじめはなかなかうまくいかないかもしれません。
けれど、慣れてしまえばそうむずかしいことでもありませんから、自然にできるようになるでしょう。
大切なのは、その3つを同時に行うという意識を持つことです。
話が一段落したタイミングで、メモの要点をチェックしましょう
話をする相手にとって一番気になるのが、「自分の話の内容がきちんと伝わったか。
間違って解釈されていないか」ということです。
特にメモを取りながら聞くような話は、内容が込み入っていたり、むずかしかったり、項目がたくさんあったりして、ともすれば間違って伝わりやすいものでしょう。
だからこそ、こちらはメモを取るわけです。
ですから、「ちゃんと伝わっている」ということを相手に知らせる必要があります。
それによって、相手は安心し、好印象を持つのです。
相手の話が一段落したタイミングで、ぜひ、メモ書きをもとに話の要点をチェック、「ここはこういうことですね」「ここがポイントという解釈でよろしいですね」と確認しましょう。
たとえば話の重点が3つあれば、その3つを復唱して確かめるのです。
これで、相手は安心しますし、こちらも間違った解釈をしないですむのです。
メモに基づいた質問をしましょう
もう一つメモをとる時のポイントがあります。
それは、メモに基づいた質問をすること。
話が一段落したときよりも、話が終了したあとがベストのタイミングです。
相手に「何か質問は?」と聞かれる前に質問したほうが、積極的な印象を与えます。
「メモを取りながら聞いたからこそ、的確な質問ができる」ということが少なくありません。
それをアピールすることによって、相手は好印象を持つのです。
質問することによって、こちらの理解が深まることは言うまでもないでしょう。
メモをとる時のマナーは非常に大切
相手に好印象を与えるメモの取り方について、5つのポイントをご紹介しました。
「事前に了解を得る」といった、純粋なマナーに関するポイントもありますが、多くは、「相手に好印象を与えると同時に、話の内容を正確に把握するための方法」でもあります。
つまり、自分にとって「実利」もあるのです。
人間関係をよくすると同時に、話の理解を深めることもできるのですから一石二鳥。
「正しいメモの取り方。相手に好印象を与えよう」への感想コメント一覧
メモを取ろうとする人には好印象がありますね。でも確かにメモばかりに気を取られていると、こちらの話を聞いてるのかと不安に思うかもしれません。自分も気を付けようと思いました。