臨床心理士ってどんな仕事?仕事内容から資格取得方法まで

最終更新日:2016年6月30日

臨床心理士という職業をご存知ですか?聞いたことはあるけれど、実際にどんなところで活躍しているのかは良く知らないという人も多いのではないでしょうか。

今回は、臨床心理士というお仕事に迫ってみたいと思います。

臨床心理士はどんな仕事で、どうやったらなれるの?待遇は?など、気になるところを見ていきましょう。

1.臨床心理士とは

臨床心理士は「臨床心理学」に基づいて人の「こころの問題」にアプローチする専門家です。

人に関わり、影響を与える専門家でもあるといえるでしょう。

その活動領域はさまざまで、学校、病院、民間企業などに活躍の場があります。

職務内容は、こころの問題を抱える相談者の心理的問題や行動の改善、援助、予防に努め、また精神的健康の回復、増進に向けての援助をするものです。

活動をするにあたっては、居住地域の臨床心理士会や一般社団法人日本臨床心理士会などに所属しそれら団体と連携を進めることが多くなります。

民間の心理学関連資格の中でも臨床心理士は、取得難易度が高いとされています。

また臨床心理士は、スクールカウンセラーや国境なき医師団メディカルスタッフの資格要件にも定められているほど、重宝される資格であるといえるでしょう。


2.臨床心理士の専門業務

具体的に臨床心理士は、どのような専門業務が求められているのでしょうか。

臨床心理士資格審査規程第11条には、4種類の専門業務が掲げられています。

1つ目は、臨床心理査定です。

わかりやすくいうと、行われた臨床心理面接の分析結果から今後の援助の方向性を定めるというものです。

2つ目は、臨床心理面接です。

これは、各種セラピーを用いて行う相談業務一般のことを指します。

3つ目は、臨床心理学的地域援助です。

これは、相談者の家族、友人、職場、学校などにおけるソーシャルサポートをすることです。

4つ目は、臨床心理学調査研究です。

これは、所属する団体や研修会などで研究活動の発表をすることです。

臨床心理士の資格は更新制ですから、継続的な研究活動が不可欠です。

3.臨床心理士になるには

日本でも臨床心理士がテーマのドラマが放送されていたように、専門職である臨床心理士は知名度もあり、人気が出てきている職業です。

臨床心理士になるには、どのようなステップを踏めば良いのでしょうか。

臨床心理士は国家資格ではないものの、日本臨床心理士資格認定協会が指定する大学院で、心理学の修士号を取得していなければならないなどの条件があります。

誰にでも受験資格があるわけではないのです。

協会第1種指定大学院修了者、第2種指定修了後1年以上の心理臨床経験者、臨床心理分野を専攻する専門大学院修了者、医師免許取得後2年以上の心理臨床経験を有する者などが受験資格の条件となっています。

そして年1回の一次筆記試験、二次面接試験があり、それに合格した人が晴れて臨床心理士となれるわけですが、その後も更新をしなければならないため、臨床心理士の門戸はかなり狭き門といえるかもしれませんね。


4.臨床心理士の更新制度

臨床心理士資格の更新制度とは、どのようなものでしょうか。

一般的な資格は、一度合格してしまえば永久に保有できるものも数多くありますが、更新制度がある臨床心理士は、常に人のこころと向き合うデリケートな職務であるゆえ、常に自己研鑽することを求められるのでしょう。

資格の更新は、満5年ごとに義務づけられています。

資格発効日から満5年以内に大別された6つの研修会に参加し、発表しなければなりません。

定められた必修項目、選択項目を合わせ15ポイント以上獲得することで更新手続ができるシステムになっています。

研修会や学会での発表、論文の提出、ワークショップでも講師などを担当することで、それぞれ決められたポイントが得られるシステムになっています。

資格取得後も積極的な活動が求められているのですね。

5.臨床心理士の年収

受験資格も厳しく、積極的な活動が求められる臨床心理士の年収はどのくらいでしょうか。

人によって個人差はあるものの、200万円~1,000万円ほどといわれています。

かなりふり幅が多いと感じられますよね。

平均してみると300万円~500万円くらいであるといえるでしょう。

就業形態は非常勤が多く、掛け持ちで就業している人も多いといわれています。

高収入を得ている人の実態は、臨床心理士としての職務のほか、講演活動のほか書籍の執筆など、2足3足のわらじを履いている人がほとんどです。

そう考えると、取得難易度が高い割に待遇はそれほど良いわけではないのかもしれません。

しかしながら臨床心理士の社会的役割はとても重要であり、こころの病を抱えた人が増え続けている現代では臨床心理士の需要は高まっています。

臨床心理士を国家資格にする動きもあります。

責任は重いですが、それゆえやりがいのある仕事だといえるでしょう。

臨床心理士を目指してみよう

臨床心理士の待遇やなる方法についてご紹介しました。

臨床心理士は誰でも簡単になれるものではありません。

臨床心理士になるには厳しい受験資格があり、晴れて合格したあとも更新のために勉学に励まなければなりません。

しかしながら臨床心理士は、メンタル疾患が増加傾向にある日本で、人のこころに寄り添う重要な役割を果たします。

年収を期待してなるのではなく、いかに悩める人を救えるかという志を持つ人が目指す、素晴らしい職業であるといえるのではないでしょうか。