よく映画やドラマで、登場人物が何かの困難に直面した時、頭をかく仕草をすることがありますよね。
私たちの普段の生活でも、何かで悩んでいるとき、仕事でミスをしてしまったときなどについつい頭をかいてしまう(かいてしまいそうになる)ことがあるでしょう。
また、照れているときなども、頭をかくような動作をすることがあります。
それはなぜなのでしょうか。
今回はそんな頭をかいてしまう人の心理についてご紹介します。
無意識にストレスを感じている
実は人間はストレスを感じたときには皮膚がかゆくなるということが医学的に証明されていて、これによって頭をかいてしまうということがあります。
この傾向は実は日本人特有のものらしく、海外では「鼻をかく」や「アゴをかく」などの仕草になります。
また、女性で自分の頭をかいている人はあまり見かけませんよね。
この頭をかくという仕草は男性が圧倒的に多いのです。
その原因は、男女の脳のタイプが違うことにあります。
女性は基本的にストレスを感じると、誰かに愚痴をこぼしたり相談したりして「共感」を求めますが、男性の場合はたいていプライドの高い性格の人が多いため、ストレスを一人で抱え込んでしまう傾向があります。
人に話して発散できないストレスを一人で解消しようとした結果が、頭をかくという行為です。
ですがそれはその人なりのストレスへの対処法であり、相談する相手がいないのならばかならずしも頭をかくという行為が悪いわけではないのです。
相手を殴りたいと思っている
心理学にはジークムントフロイトという学者によって創始された精神分析学という分野があります。
この分野は簡単にいえば人間の「無意識」について研究する分野です。
それによれば人が頭をかく心理は、人を殴るときにこぶしを振り上げる動作に起因していると考えられています。
この攻撃衝動を抑制するのが、頭をかくという仕草です。
この精神分析学という分野にはこじつけや屁理屈のようなところがあるのですが、近年の脳科学の進歩によってその理論の裏付けがとれるものも多く、このこぶしを振り上げる動作も、脳科学的な証明がされています。
頭の後ろには大後頭神経と呼ばれる神経があるのですが、この神経がストレスを感じると興奮するため、頭をかくという仕草によってこの神経を無意識にマッサージしています。
また頭をかくというと照れているような印象を抱きますが、これはこぶしを振り上げたことに対して「大人気ないことをしてしまった」と無意識に脳が判断して照れが発生するためです。
よく「告白したときに相手が頭をかいていて、脈アリなのかどうかわからない」などの話を耳にしますが、この場合は残念ながら照れているというよりも、その告白を拒絶している可能性のほうが高いといえます。
「目は口ほどにものを言う」とはよく言いますが、脳科学的に女性ほど上手く感情表現ができない男性は、口よりも態度や仕草、表情に本当の心理が隠されている場合がとても多いです。
ですが男性はたいていがその態度や仕草を隠すことがあまり上手ではない、というよりも女性の人間観察能力が男性より優れている面があるために、見抜かれることがとても多いように思います。
自傷行為の一種
頭をかくという行為は、やりすぎると自傷行為になります。
大半の人間はぽりぽりとかく程度ですが、中には血が出るほど頭をかきむしってしまう人もいます。
脳科学でいうところの自傷行為は「βエンドルフィン」という脳内物質に起因しています。
人が痛みを感じるとこのβエンドルフィンが脳内で分泌され、精神的な安定を取り戻す作用が生まれます。
ですがその作用は永久的なものではないため、またストレスを感じたときには自傷行為をしてしまいます。
この作用がβエンドルフィンが俗に「脳内麻薬」と呼ばれる由縁です。
また心理的なものとしては、周囲の気をひくため、自己の存在を確認するため、自分への罰、周囲に助けを求めるためなどの原因があります。
自傷行為をする場合は心に「愛着障害」「うつ病」「パーソナリティ障害」「統合失調症」「摂食障害」などの重大な問題が隠れている可能性があります。
このような病をかかえている場合は、一人の力で何とかしようとは思わず、素直に精神科などの医療機関を頼りましょう。
頭をかく動作にはいずれもマイナスの要因がある
頭をかく癖がある人の心理や性格をご紹介しました。
もちろんただ単なる癖や何らかの頭皮の病気という可能性もありますが、この動作の意味するところの大半は、ストレスを一人で抱え込んでしまうというマイナスの面が大きいです。
そのため、信頼できる友人や恋人などに日々の悩みを相談することが大切です。
ですがいずれにしても頭をかくという行為はフケなどが落ちますし不潔な印象をもたれるので、人前ではできるだけ控えた方が良いでしょう。
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