ダイエットと言えばやはり思いつくのは筋トレですよね。でも、筋トレって大変そうだし長続きしないという人も多いと思います。
そこで、今回はどうして筋トレがダイエットに効果的なのかをサイエンス的な視点から研究してみたいと思います。
ダイエットで変動するのは4つの要素
ダイエットをすると多少の差に関わらず体重は変わりますよね。
実はこの体重の変化の際に影響を受けているのは水分、筋肉、骨、脂肪の4つ。この4つをいかにバランス良く変化させていくかがダイエット成功のカギなのです。
水分は体重の中で最も簡単に増減する要素です。汗をかくだけで効果があるので目に見えた数字の変化が期待できます。
次に変化しやすいのが筋肉。食事制限で体重が減る場合の多くは栄養不足による筋肉の衰えが原因です。
そして骨。実は人の身体はエネルギーが必要な時に脂肪ではなく骨を先に分解します。体重が急激に減少した人が捻挫や骨折などの怪我をしやすいのは、実は骨が分解されて弱くなっていた事が原因です。
最後に脂肪。脂肪は身体の中でもっとも最後に消費されます。脂肪というのは生物が食べ物が摂取できなかった時のエネルギーの貯金の役割を持っているため、貯金を切り崩す状況になるまでなかなか減りません。
これらダイエットに関わる4つの要素。水分、筋肉、骨、脂肪。これらをバランス良く変化させていくのに効果的なのが筋トレなのです。
筋トレがダイエットに効果を発揮する水分のサイエンス
筋トレをする事でまず真っ先に影響を受けるのは水分です。
汗をかく事で体内の水分が排出されるだけでなく、身体を動かす事で代謝が促進されて利尿作用が現れます。
スポーツジムなどの筋トレでは人によって多い時には1回に1kg分も水分が排出されるほどの減量効果があります。ただし、急激な水分の減少は身体にとって悪影響となるので実際は水分補給をしながらの筋トレで300gくらいの減量ができれば理想的です。
筋トレがダイエットに効果を発揮する筋肉のサイエンス
そして筋肉。なんといっても筋トレですからトレーニングする事で影響を受けるのは筋肉だというのは当然の事なのですが、実はここにも短期的な効果と長期的な効果の2つの影響の違いがあります。
まず筋肉への短期的な効果。それは「細胞の破壊」による減量効果です。筋トレというのは基本的に今ある筋肉に負荷をかけてダメージを与え、細胞が負荷に耐えられるように生まれ変わる事によって新しい筋肉が今よりも強くてたくましいものになるというのが基本的な理屈です。つまり、まずは今ある弱い筋肉を壊す事から始まるのです。これは俗に言う「筋肉痛」ですね。細胞が破壊されて今ある筋肉が減る。それが短期的な筋トレの筋肉に対しての効果です。
しかし大事なのはその先に待っている長期的な効果です。
筋肉は筋トレによって一度破壊されてより強い筋肉として再生する事で新陳代謝の効率向上という副産物を手に入れる事ができます。この新陳代謝の効率の向上こそが筋トレにおけるダイエット成功のカギとなるのです。
筋トレがダイエットに効果を発揮する骨のサイエンス
筋トレによって汗をかいて水分の分だけ体重が減り、筋肉が生まれ変わって新陳代謝の効率が向上するという効果は見えてきました。
では、骨についてはどうでしょう?
筋トレにおける骨への影響。それは簡単に言うと「骨の弱体化の阻止」です。
人の身体はエネルギーが必要な時に骨を分解する事はご説明しましたね。これは筋トレ中も同様で、骨は筋トレでエネルギーが必要となった時に分解され始めます。しかし筋トレの場合、骨は分解と同時に再生もされていきます。
筋トレによって骨に適度な負荷がかかる事によって、その負荷に耐えられるよう骨自身が再構築されていきます。再構築された骨はより強い負荷に耐えられるだけでなく、エネルギーの供給の為の骨の分解を補う効果もあるのです。こうして出来た新しい骨は筋肉を支える柱となるだけではなく、骨の内部の神経などの貴重な細胞を以前よりもより強く守ってくれるようになるのです。
筋トレがダイエットに効果を発揮する脂肪のサイエンス
そして、やっと出番となるのがエネルギーの貯金担当である脂肪です。
筋トレは先に説明した通り筋肉を一度破壊して再生するという行為です。それに筋肉だけではなく骨も再構築されるため、筋トレを続ければ続ける程に多くのエネルギーが必要となってきます。筋肉は新しくなって新陳代謝の効率が向上し、より効率的に運動の為のエネルギーを入手しようとします。
そして遂に脂肪がエネルギー供給のターゲットとなります。筋トレによる筋肉の長期的な効果として、いよいよ脂肪が分解される時がやってくるのです。1度ターゲットにされてしまうと脂肪の分解は速やかに行われます。
筋トレによって筋肉の新陳代謝の能力は向上しているので、脂肪を効率良く分解して筋トレのエネルギーに変えてくれるのです。
ちなみに、脂肪が分解され始めるのが筋トレを始めてからどれくらいかというと、個人差はありますがだいたい筋トレ開始から2ヶ月後くらいです。筋トレによって筋肉が新しく再構築されるまでにかかる時間が2ヶ月程度というのが医学的な数値として表れているのです。つまり筋トレを開始してからの最初の2ヶ月の体重の変動は脂肪とはほぼ無関係。脂肪の燃焼効果が表れるのは3ヶ月目から、という事になります。
じゃあ最初の2ヶ月は無駄なのかと言うとそんな事はありません。脂肪の燃焼効果こそ少ないものの、体内の余分な水分の排出や運動による腸内の宿便の排出など、筋トレをする事によって確実に体重には影響が出てくるのです。
筋トレによって代謝を高めることがダイエットの秘訣
筋トレというと「脂肪を燃やす」というイメージが一般的ですが、実は脂肪を燃やすには水分、筋肉、骨、脂肪という身体を構成する各要素が影響しあって代謝というサイクルを作り上げていく必要があるのです。そして、その各要素をバランス良く刺激して効果を出してくれるのが筋トレの本当の役割であると言えます。
今回ご紹介した水分、筋肉、骨、脂肪の4つのサイエンス的な要素を思い出しながら、無理なく理想的なダイエットに取り組んでみませんか?
「ダイエットに筋トレが効果的な理由5つ」への感想コメント一覧
筋トレをはじめても1ヶ月としないうちにやる気が無くなってしまうのですが、理論的に筋トレのメリットが理解できこれからは意識して筋トレを長く続けて見ようと思いました。
とても説得力のある、分かりやすい説明でした。
今すぐ始めて効果が現れるタイミングが、まさに夏真っ盛り、ということは、ちょうど良い時に記事を読むことができました。
やはり食事制限だけのダイエットは体によくないですし、何よりリバウンドが怖いです。ですが筋トレをするダイエットなら健康にもつながりますしやりがいがでてきそうです!この記事を参考にがんばって生きたいです