実家が商売や会社を経営している人にとって、家業を継ぐタイミングは大きな問題です。
このタイミングがうまく行かなければ会社の経営自体が傾いたり、悪い場合にはその家業自体が廃れてしまうこともあります。
それでは家業を継ぐタイミングはいつがいいのでしょうか。
親が相談してくるようになったとき
子どもにとって親はいつまでも頼もしい存在でいて欲しいものです。
そのため、親の老いや衰えを見たとき、どこかで見て見ぬふりをしてしまったり「まだまだもう少し頑張って」「気の弱いことを言わないで」などと励ますような言葉を掛けてしまうことも少なくありません。
しかし、親が家業について相談してくるようになったときが家業を継ぐための大きなタイミングです。
というのも、親は自分の身体と子どもの成長を見ながら、どこがベストなタイミングなのかをいつも見計らっているものです。
しかし、自分の判断について自信がないということもあり「相談」という形で話を持ちかけてくることがあります。
また、親もできるだけ自分がしっかりしているうちに家業を継がせたいと思っているはずです。
というのも、家業というのは子どもに継がせたからといってすぐに手を離せるものではありません。
自分の培ってきた人脈や、信頼できる相手とのこれまでの経緯や歴史などは、親の立場でしかわからないものです。
そのため、家業を継いだ直後は親と共同経営という形で運営を行うのがもっともスムーズです。
親にとってはそのタイミングがベストです。
そのため、親が相談してくるようになったときが家業を継ぐタイミングといえるでしょう。
自分が会社勤めして5年目
家業を継ぐとき、親のタイミングではなく自分の状況を優先するという方法もあります。
多くの人は、実家に家業があっても自分が継ぐと決めていることはありません。
家業を継ぐという選択肢を残しつつも、別の会社に就職しているというケースがほとんどです。
もし家業を継ごうと思うなら、その会社に勤めて5年程度が経過したときがベストです。
というのも、5年程度会社員を経験すれば、社会のなりたちというものがなんとなく分かってくるはずです。
上司や後輩の姿を見て、自分ならこうしたいとか、自分ならこうしないといった理想や希望のようなものも芽生えてくる時期です。
もし自分が家業を継いだ場合、その規模にもよりますが、それは人の上に立つ立場ということになります。
その場合、下の人間の気持ちを知っておくことは非常に重要です。
働いている人の中には、その家に生まれたからと言う理由で家を継ぐということが納得できない人もいるはずです。
そういった人のケアをきちんとできたり、人の気持ちを分かるようになるためには少なくとも5年の社会人経験が必要です。
さらに社会人5年目というのは、これから自分がどのように働いていくかを考えるには最適の時期です。
会社のこともある程度分かっていることもあって、仕事が楽しいと思えてくるときです。
その気持ちを活かすことで、家業を継いだときにスムーズな世代交代を行うことができます。
結婚をしたとき
結婚したときに家業を継ぐと言うのはちょっとおかしいと思う人もいるかもしれません。
しかし、実は結婚するときに家業を継ぐというのは決して悪いことではありません。
結婚するときに家業を継ぐメリットとして、まずそれが人生の大きな転機であるということが挙げられます。
もしこの先、家業を継ぐつもりがない場合には、結婚は「継がない」という意志表示になり、それまで会社を経営してきた親は、その会社を他人に継がせるか、自分の代で畳むかという選択を行うことになります。
しかし一方では「子どもに継いでもらいたい」という気持ちは残っているため、なんとなくどっちつかずの状態を続けることになってしまいます。
また、結婚したときはまったく新しいライフスタイルを考えるにはぴったりの時期です。
今まで会社に勤めていたという人も、これまで通りの時間で仕事ができなくなることも考えられます。
もし、自分にしかできない仕事をしたい、打ち込めるものが欲しいという人にとって、そのエネルギーを自分の家の家業に注ぐのは少しも不思議なことではありません。
その際、多くの人はその選択に疑問を持つかもしれません。
中にはなぜこの時期にと直接質問してくる人もいるでしょう。
実はこれがひとつのチャンスです。
家業を継いだ直後は、周囲の人は温かい目で見ながらも、どの程度の人間かと言うことを見積もっているのです。
そのとき、自分の人生や家業に対する考えを述べるチャンスを持てるかどうかは、非常に重要なことです。
色々な人に自分の考えを説明することで、熱意や今後の計画などを伝え、周囲からの協力を取り付けることができる可能性も生まれます。
家業を継ぐタイミングを見極めよう
家業をいつ継ぐかというタイミングは非常に重要です。
このタイミングの良し悪しによって、今後の経営状況にも影響します。
まずはじっくりと自分と周囲の置かれた環境を改めて考えてみるといいでしょう。
「家業はどのタイミングで継げば良いのか。家業を良いタイミングで継ごう」への感想コメント一覧
結婚と同時に家業を継いだ人間が私の部下にもいました。そいつは、父親が植木屋でしたので、その後を継ぐということでしたが、サラリーマンからいきなり自営業とまでは言いませんが、売上によって所得の上下する立場になるのですから、正直どうなのかなって感じです。もちろん、退職金もありませんしね。