ワイシャツとブラウスって何が違うの?クリーニングで値段が違う理由やそれぞれの定義を紹介

ここではワイシャツとブラウスの違いをお伝えします。

男性はあまり意識したことはないと思いますが、女性は考えたことが1度くらい疑問ですよね。

クリーニング店にシャツを持っていくと、値段表に「ワイシャツ○○円」「ブラウス○○円」と別々に表示してあることがほとんどです。

なんとなくワイシャツは男性のもの、ブラウスは女性のものというイメージはあります。

しかし女性の方は特に、同じような形で素材のなのに「これは女性もののシャツだからブラウスの値段で」「こちらは男物だからワイシャツの値段で」と言われると、なんとなく納得できないような気がしていませんか?

作りがとても似ているブラウスとワイシャツですが、その違いは単に男性ものか女性ものかの違いだけではありません。

1.ワイシャツの定義

ワイシャツは省略された呼び方で「White Shirt」から来ています。

「Yシャツ」と表記することもありますが、これは「White Shirt」の当て字です。

もともとは、1873年に初めて日本に入ってきた際、西洋人が「Whiteshirt」と言ったのを「ワイシャツ」と聞き間違えたことが原因です。

一部の地域ではカッターシャツとも呼ばれますが、これは日露戦争の戦勝記念に日本メーカーが「勝った。

シャツ」として売り出されたことに由来しています。

ワイシャツはもともと男性がジャケットの下に着るためのもので、コットンでできており、ボタンと台衿つきのものを言います。

ワイシャツのワイはホワイトにちなんでいるため、白いシャツが基本ですが、日本では伝来時から「White」の意味が抜け落ちていたこともあり、色がついていたりストライプが入っていたり、必ずしも白いばかりがワイシャツではなくなっています。

2.ワイシャツの裾はどうして長いの?

今ではワイシャツ一枚で仕事に行くこともありますが、実はもともと下着として作られました。

そのため、本来は一枚で着るのではなく上に何かを着ることが前提です。

「White」であるのも、下着だからということもあります。

1930年代にブリーフが登場するまで男性用の下着がなく、ヨーロッパの男性は裾野長いワイシャツなどで股間を覆っていたのです。

ワイシャツは両脇が短いのに前後の裾が長くできているのはこの名残です。

たった100年前に男性用の下着がなかったというのは驚きですよね。

また、一番下のボタンが余っているのは、ボタンを紛失した時の予備と思われがちですが、実はシャツの裾を股間でボタン留めできるようになっていたためです。

もちろん、現在でもついている理由は、予備としての意味です。

ワイシャツは第二次世界大戦前ころから、イタリアでアウターとして着られるようになり、徐々にヨーロッパにアウターとして着用されるようになったのです。

対して、ブラウスの裾はワイシャツほど長くなく、必ずしもパンツやスカートの中へ裾を入れなくとも良い構造になっています。

これは男性とは対照的に、女性は下着を別に履く習慣がが男性よりも早くからあったためだと言われています。

ブラウスの定義

ブラウスは女性が身に着けるもので、ヘアスタイルが乱れないよう首元が大きく、やわらかく作られています。

基本は絹で、語源はフランス語のゆったりした服を指す「ブルゾン」に由来します。

シャツが下着として誕生したのに際し、ブラウスは初めからこれ一枚で着ても大丈夫、という前提で作られたものです。

基本は男性向けのワイシャツと同様の形状で、裾だけがワイシャツよりも短いものを指していました。

しかし現在では、多岐にわたったデザインのブラウスが着られており、刺繍が施されていたり、レースで女性らしさを演出しているようなものも多くみられます。

そのため現在は、男性のワイシャツに似た形のものだけではなく、かぶりものでも襟の形が四角でも丸くても、衿がなくても、女性もので袖がついたトップスであればブラウスというくくりに入るようになっています。

クリーニングでの料金差はなぜうまれるの?

よく似たワイシャツとブラウスですが、クリーニングに持っていくと大抵料金が違います。

女性物だからブラウス、というくくりにされてしまうと少し納得がいかない部分もありますが、ワイシャツであれば、色や模様の違いはあるものの形状はほとんど同一です。

そのため、すべて機械で洗いプレスすることが出来るため、クリーニング店としては全て同一の方法で洗浄できるものとして扱うことができます。

対して、ブラウスは素材も形も様々なので、洗い方も仕上げのアイロンも機械で一律に行うことができません。

もちろんワイシャツに近いものであれば、男性用のワイシャツと同じ工程でクリーニングが出来るのですが、細かいビーズが施されていたり、部分的にレースがあしらわれていたりすることも多く、個別に線引きすることが難しいのです。

そのため、多くのクリーニング店では、男性用のワイシャツと女性用のブラウスという分け方で、料金に差を出しています。

男女でボタンの向きが違うのはなぜ?

ワイシャツとブラウスではボタンの向きが違います。

これは男物、女物一般に言えることですが、その理由は男物は自分で着ていたのに対し、女物は召使いが着付けを行っていたからと言う説があります。

身分の高い女性は特に、衣服の着替えは召使が行うものだったのですね。

それ以外にも、乳児に授乳させるときに、右乳首だけをはだけやすくするためと言う説もあります。

多くの母親は、左手で赤ちゃんを抱き、利き手である右手をフリーにすることが多いため、シャツのボタンを右手だけではだけやすくするために、左側にボタンを付けたという説です。

その他にも、男女差を付けてブラウスに付加価値をつけて値段を吊り上げるためや、女性が乗馬する際に片鞍乗りをするために風が服の隙間から入り込まないようにするためなど色々な説がありますが、確実な理由と言うのは分かっていません。

ヨーロッパでは伝統的な場ではワイシャツが嫌がられる場合も

ワイシャツは下着由来なので、欧米の伝統を重んじる階級の人には、オフィシャルな場でワイシャツ姿になることを、いまだに嫌がる人もいます。

ほんの100年前にはヨーロッパではバリバリの下着だったわけですから、それも当然かもしれません。

下着として着用していた世代も、まだ存命しているはずです。

日本では伝来時は下着として伝わったものの、広く認知され着用されるようになったのはアウターとしてのワイシャツでした。

日本では江戸時代から「ふんどし」が一般庶民にも広がっていましたので、ワイシャツを下着として受け入れる土壌になかったのかもしれません。

色や模様に限らず男性もののシャツは「ワイシャツ」、女性ものは「ブラウス」と呼ぶ歴史的な背景がありました。

ワイシャツが下着だったというのは日本ではあまり知られておらず、驚かれたのではないでしょうか。

クリーニング店で少し高い金額を請求されるブラウスですが、ワイシャツよりも丁寧にクリーニングしてくれています。

 

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