愛は、この世において最も崇高で素晴らしいものです。
しかし、人によっては、愛を「苦しいもの」と感じてしまうこともあります。
素晴らしいものであるはずの愛が、なぜ苦しみになってしまうのでしょうか。
そこで、愛が苦しい理由についてご紹介します。
感情や欲本能に呑み込まれてしまうから
愛が苦しい理由の1つに「見返りを求めることなく相手を愛することができない」ということが挙げられます。
愛の中でも最も尊いものは「見返りを求めることなく、ただ与えるだけ」という「無償の愛」です。
しかし、人間には感情や欲本能があります。
これらを克服しない限り、無償の愛の境地にいき着くことはできません。
頭の中では「感情や欲本能を克服しよう」と決めても、それらは暴走してしまうことがよくあります。
その結果「自分で自分を思うとおりにコントロールできない」と悩み、苦しむようになります。
それらを克服できない自分を嫌悪し、自分を責めてしまう人もいます。
これも苦しみの原因になります。
このような理由から、無償の愛にまでいき着くことのできない多くの人たちは、愛を苦しいと感じてしまいます。
人を愛すると、愛した人のことばかり考えてしまうから
どんな人でも、誰かを愛すると、ついついその人のことばかり考えてしまうようになります。
そしてその結果、相手に依存したり、執着したりして、自分自身を苦しめてしまいます。
これも、愛が苦しいと言われている理由の1つです。
愛した相手のことばかり考えるようになると、人間は主体性を失います。
そして、考え方や毎日の生活の全てが、愛した相手中心に回ってしまうようになります。
その結果として、潜在的なストレスを生み出し、自分自身を苦しめるようになります。
主体性を失った状態で人を愛すると、いつしか「自分が愛した分だけ、同じように相手からも愛されたい」という歪んだ欲望や執着を生み出します。
その結果、相手をむりに束縛して嫌われてしまったり、何かにつけて相手を疑ってはケンカになったりしてしまいます。
これも「愛と苦しみは切っても切り離せない」と言われている理由の1つです。
愛は、自分の思い通りにならないことが多いから
自分が全身全霊で誰かを愛しても、その人に振り向いてもらえたり、その人から同じように愛してもらえたりする保証はどこにもありません。
むしろ、自分の愛が一方通行になってしまい、つらい思いをすることも少なくありません。
これも、愛が苦しい理由です。
自分にも自分の世界があるように、相手にも相手の世界があります。
そのため、自分が相手を愛したからと言って、相手が、自分のことを確実に好きになってくれるかはわかりません。
自分と相手は世界観の違う別の人間ですから、お互いに好みが違います。
なので、確実に相思相愛の関係になれなくても、決して不思議ではありません。
しかし、いくらそのことを頭で理解していても、自分の中に生まれた愛は、いき場を失ってしまいます。
愛というものは、1度生まれてしまうと、なかなか消すことができません。
その結果、いき場を失った愛を、いつまでも心に抱えて苦しむようになってしまいます。
人を愛することはエネルギーが必要だから
誰かを愛するという行為は、大きなエネルギーを必要とする行為です。
そのエネルギーに振り回され、自分で自分をコントロールできなくなると、愛が苦しみに変わってしまいます。
人を愛するという行為は、ただ「好きだ、好きだ」と、自分の気持ちを相手にぶつけるものではありません。
もちろん、愛することで、大きな喜びを感じることもたくさんあります。
しかし、それと同時に「お互いに全力で支え合わなければならない場面」や「愛を試される試練のような出来事」があったりもします。
そのため、愛するという行為の裏では、心の中が喜怒哀楽の感情も物凄いスピードで動いています。
この精神状態に耐えられない人は、心に余裕をなくします。
その結果、本気で人を愛しても、愛の喜びを感じることができなくなり、愛が苦しみそのものに変わってしまいます。
自分のわがままを抑えなくてはならなくなるから
愛とは「お互いに心を寄せ合って支え合う」という行為です。
そのため、お互いに相手を気遣い「配慮して、相手に合わせる」という姿勢も必要になります。
どちらか一方がわがままを言って強引に自分1人の意志を押し付けることは慎まなければなりません。
ところが「どうしても自分のわがままを抑えられない」という人もいます。
このような人にとっては、愛は苦しみ以外の何ものでもないでしょう。
自分のわがままを抑えるということは、欲や本能を無理に我慢するということです。
これは、どんな人にとっても他生のつらさを伴います。
しかし「相手を愛する」という気持ちが強ければ、このつらさを克服することは可能です。
しかし、今まで自分をコントロールすることなく勝手気ままに生きてきた人にとっては、この我慢が大きな苦痛になります。
その結果、愛を苦しいと感じてしまうようになります。
愛が苦しい理由を知ろう
人間には、感情や欲本能が存在します。
そのため、誰もが「すべてを自分の思い通りにしたい」という思いを多かれ少なかれ持っています。
ところが、人を愛し、その愛を末永く大切にしていくためには、相手の考えや世界観も尊重しなくてはならないので、どうしても「我慢」という行為が伴います。
これが「愛は苦しい」と感じてしまう大きな理由です。
しかし、自分が愛した人と心から愛し合って幸せになるためには、多少の忍耐力は必要です。
人を愛する過程において、このような苦しさを感じてしまったら「自分の愛が本物かどうかを試されている」と考え、愛する相手に対して謙虚に向き合うようにしましょう。
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