「どうして男ってこうなんだろう」「これだから女性は…」と、私たちはお互いに感じてしまいます。
これらは男性脳と女性脳との違いによるところが大きいため、これらを把握することで、今まで感じきたストレスもただの脳的な性差として捉えることができるようになります。
作業面:シングルタスク(男性脳)とマルチタスク(女性脳)
一般的に男性脳は「シングルタスク型(一点集中型)」、女性脳は「マルチタスク型(複数同時進行型)」と言われています。
例えば「新聞を読んでいる男性に何かを話しかけてもろくに返事をしない」という事例や、逆に女性は「洗濯機を回しながら料理をし、片手間に子どもが何をして遊んでいるかを横目で見守りつつお友達と電話で楽しくお喋り」できたりします。
これは本質的に男性が太古より「外で狩りをして獲物を取ること」「それが全て」という集中力を要する作業に時間を費やしてきたのに対し、女性は「家の中を守る」という同時進行的に広範囲なケアを要する役割を与えられていたからとされます。
それが男性の集中力を伸ばし、女性のマルチタスク能力を広げたとされています。
このようなことから職人と言われる仕事については男性がその多くを占め、例えば通訳のような同時に二つのことを頭で処理することが求められる業種には女性が適しているという判断が今も一般的になされています。
空間認知:立体的認知力(男性脳)と平面的観察力(女性脳)
よく女性は方向音痴が多いと言われますが、これは男性が太古より「動き」の中で空間を捉えていたこととも関係し、空間認知の際に「方向感」が働きやすいという特徴があるからです。
「動き」をイメージすることに慣れていますので、3次元に空間を想像することに苦手意識が出ないということです。
一方、女性は家族やコミュニティーの中でそれぞれの表情やその時々の状態変化に気づく能力が培われ、これが平面的な部分の「特徴(目印)」を見つけ出すスキルへとつながっていきます。
よって、空間認知の際もその場所にある特徴を目印化して静的にイメージ記憶する習慣があるため、なかなか地図には転用できないということが起こります。
それでも頭の中にその特徴は明確に記憶されているものだから、そこに到着できると「そうそう、ここここ」と言ってしまうのです。
ですが、これは絶対的に男性側が優れているとも言い切れず、例えばこういった特徴を見抜く観察力というものは、女性ならではの男性の嘘を見抜く力にも繋がっていると評価できます。
会話:問題解決型(男性脳)と感情共感型(女性脳)
会話というものを考えた時に、一般的に男性は必要最低限のことしか話さず、女性は一つの話からどんどん話題を展開していくとも言われますが、これも男性脳と女性脳の特徴として考えられます。
どうしてこうなるのかと言えば、男性は話やテーマが出てきた際に、本能的に「それをどうやって処理すればいいのか」という、解決すべきタスクとしてその話題と向かい合います。
これに対し、女性は話題を問題解決のためのタスクと捉えることはせず、話し手であっても聞き手であっても、その会話の中で「共感」をこそ楽しもうとします。
このような違いにより、男性の場合だと解決策を提案すれば話は必然的に終わりますが、女性の場合はもっと共感できるものがあるのではないかと、どんどんテーマが溢れ出してくるということになります。
この時、先のテーマの問題が解決されているかどうかは特に大きな意味をなしません。
このような訳で、男性側が自信満々に最短で解決策を提案してくる時に「なんでもっと共感してくれないんだろう…」と女性は不満を感じてしまうのです。
リスクやスリルに惹かれる「男性脳」と安定型の「女性脳」
スリルやリスクを楽しんでしまうのも男性脳として捉えることができる本能的な傾向です。
ここまでご紹介してきたように、男性は太古から命のリスクが伴う狩猟をして自分の評価を獲得してきました。
このことから、何かリスクが潜んでいるものと向かい合う時、それを克服したいという思いであったり、その背面側の成果や評価を無意識にでも推し量ってしまいがちです。
よってギャンブルなどリスクの伴う危ういものについても、ついつい近づきたくなる傾向は、本能的にも女性よりも強いと言えるのかもしれません。
一方で、安定にこそ安らぎを見出し、家族やコミュニティーの中に自分が穏やかに属していることに満足を覚えるのは、永続的な繁栄を求めてリスクを回避したい女性脳の本質的な傾向です。
男性が平凡を好まず、女性がギャンブルをしないわけでもありませんが。
しかし傾向としては男性気質(男性脳傾向)が強ければ強い人ほど、リスクを背に大きな成功を目指す人生を好み、女性脳的な傾向があればあるほど、家庭やコミュニティーの中で穏やかな人生を過ごすことを好むことが多くなると言えます。
男性脳と女性脳の違いを知ろう
こういった脳の働きを性差として知ることで、これまで単純に嫌悪感を覚えたり、逆に悔しい思いをしてきたような場面でも、本質的に備わっている「得意分野の違いなんだ」と処理できるようになるのではないでしょうか。
普段の生活の中で何気なく意識してみることで、不必要なストレスを持たずにうまく共存していけると良いですね。
「男性脳と女性脳の違いとは?作業や空間認知など男女で違いがある」への感想コメント一覧
なるほど、そうだったんですね。夫との会話が噛み合わないのも、やたらうるさいアクション映画についていけないのも脳の違いだったんだ。これからは「脳が違うんだから仕方ない」 と割りきって付き合うことにします。