最近メディアでよく「セクシャルフルイディティ」という言葉を見聞きしますよね。
どうやら海外セレブに関する話題らしいけど詳しくは知らない、という方も多いでしょう。
そこで今回は、セクシャルフルイディティについてご紹介します。
性の新しい在り方
性の対象を分類する言葉として、セクシャルマイノリティーという表現は既に世の中に浸透しています。
いわゆるLGBT(L=レズビアン、G=ゲイ、B=バイセクシャル、T=トランスジェンダー)と言われるものですが、セクシャルフルイディティは、このどれにも当てはまらない新しい性の在り方として登場し、爆発的に広まりつつあります。
別名をセクシャルフルイドとも言いますが、その語源となるフルイド(fluid)は液体、流体、流動的という意味の言葉です。
つまり液体のように流動的に、好きになる相手の性別を定めないのがセクシャルフルイディティです。
LGBTとの違い
同性でも異性でも好きになるのなら、バイセクシャルとの違いはどこにあるのでしょうか。
これまでのセクシャルマイノリティーの表現であるLGBTは、その性愛の対象がどのようなものであるかを示した分類と言えます。
自分が好きになるのは同性である、異性である、またはどちらもその対象であるということを宣言したものでした。
一方、新たな表現として登場したセクシャルフルイディティはというと、流動的であるが故に「私の恋愛対象はこの性別だ」という点を曖昧にしているところが一番の特徴です。
また、これまではカップルの中で男性的な役、女性的な役が分かれている事が多かったのに対し、セクシャルフルイディティのカップルにおいてはその役割分担も曖昧であるという解釈もあります。
例えば、旧来のレズビアンカップルではどちらかが男性的な雰囲気だったところが、最近のフルイディティだとどちらも女性的またはどちらも男性的な場合が増えているというのです。
どの性でも関係ない、好きになったその人が恋愛対象だということですね。
急激に広まったきっかけ
新しい性の在り方であるセクシャルフルイディティという言葉が広まったのは、ごく最近の話です。
そのきっかけは、シザーハンズ、パイレーツオブカリビアンなどで有名なハリウッド俳優のジョニーデップさんの娘であるリリーローズさんのカミングアウトでした。
リリーローズさんもモデルとして活躍しており、CHANELのアンバサダーに抜擢されるほどの実力を持っています。
まだ16歳の彼女ですが、10代のためのLGBTプロジェクトにおいて、自身の考えを堂々と公表しています。
この若さで自らの生き方を自覚し、発信することができるのは素晴らしいですね。
これに対するメディアの受けとめ方はほとんどが好意的で前向きなものでした。
マイリーサイラスさんやクリステンスチュワートさんら多くのセレブリティも賛同し、世界的にも受け入れられつつあります。
人間性を好きになるということ
自分はノーマルであると自覚している人でも、人間として同性が好ましく思えることはありますよね。
例えば女性の場合、活き活きと輝いている女性に憧れたり、テレビに出ている女優さんを追いかけたりと、同性を広い意味で「好き」と思う事は珍しくありません。
男性であっても、仕事の出来る同性の先輩についていったり、学生時代の親友と幾つになっても連れ立っているのをよく見ます。
人として好きという感情がごく自然に湧き上がった結果、それが恋愛感情になるとしたら、セクシャルフルイディティという立ち位置も理解し易いものになるはずです。
まずは自分を性別という枠から解放し、同じく人間としての相手を愛するということが最も重要であり、新しい点と言えます。
セクシャルフルイディティについて理解しよう
セクシャルフルイディティを知るきっかけは、リリーローズさんら海外セレブの発言ですが、日本にも当然そのような感覚を持った人たちは存在します。
日本ではセクシャルマイノリティーが13人に1人と言われています。
つまり、クラスに2人はLGBTないしセクシャルフルイディティの方がいるという計算になります。
決して遠い世界の話ではありませんし、あなた自身も気づいていないだけで様々な性別を好きになるかもしれません。
ましてや日本人は、自分の考えをはっきりと伝えるのがまだまだ苦手な人が多く見られます。
もしも自分がマイノリティーである事に気づいた時、あなたはリリーローズのように堂々と発信できるでしょうか。
また、とても仲の良い友人からカミングアウトを受けたとしたらどうでしょう。
様々な人がいるのは、ごく当たり前のことです。
大切なのは、線引きをすることではありません。
どのような性を恋愛対象にしているかではなく、好きになるのは相手の人間性であることです。
こうした新しい性の在り方を自然に受け容れることで、世界の在り方もまた新しい形に進展していくことでしょう。
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