事実婚をすることのメリット・デメリット。結婚との違いを認識しよう

最終更新日:2015年5月1日

最近では結婚ではなく事実婚を選択するカップルも増えてきました。

しかし婚姻届を提出しない事実婚を選択するのは怖いという方もいるのではないでしょうか。

そこで今回は事実婚のメリット・デメリットについてご紹介します。

1.事実婚とは

事実婚は、結婚の中から、法的な側面を排除したものです。

事実婚の場合、多くは、実質的に普通の結婚と同じ形態を取っています。
つまり事実婚は、財産や社会的権利の享有という結婚の大きなメリットのひとつを失った状態です。

このことによるデメリットは、通常ではあまり現れてきません。
従って、事実婚とは、結婚とどのくらい違うものであるのかという実感は、事実婚をしている当人にこそ、ぴんと来ないかも知れません。

ならば、メリットの薄れた結婚を廃し、事実婚を選ぶ人が増えたとしても不思議はありません。


2.事実婚のメリット

事実婚のメリットは、まさに結婚のメリットを失ったところにあります。

例えば、何らかの理由で夫婦別姓を望む人には、事実婚によって結婚生活を手に入れながら、自分の姓を名乗り続けるという欲求を満たすことができます。
夫婦別姓は、単なる矜持の問題だけでなく、少子化の中で、実家の家を継ぐ者が自分しかいない者が増えた結果、男性も女性も、結婚によって姓を変えることができないという実質的な問題の解決策にもなります。

皮肉なことに、これは旧来型の社会(結婚を重視してきた社会)の遺産のような問題です。
家制度を本当に意に介さない社会になれば、結婚も事実婚も、いちいち区別して考えることもなくなるでしょう。

姓が変わることも大きな意味を持ちません。
しかし旧来型の社会が残っているからこそ、ある種の人達にとって、結婚そのものが難しくなってしまうのです。

しかし結婚は単なる制度的な役割だけの制度ではありません。
当然そこには人間的な感情が存在します。

愛する人と共に生活し、子供を作り、家族を作っていきたいという、昔から日本人の多くが自然に抱いてきた希望です。

少子化と旧来型の家制度の存続は、この希望を阻むものでした。
それが事実婚という事によって、解決されているのです。


3.事実婚のデメリット

事実婚のデメリットは、これもまた、結婚のメリットを失ったところにあります。

結婚という制度の中では、家族を持つ希望を叶えられない人達が、事実婚によってその希望を満たすことができたとして、しかしその結婚は、結婚の最大のメリットである、社会的権利と財産の共有を果たしてくれません。

一見よく見えてこないこのふたつのメリットは、例えば、事実婚のパートナーを失ったときにはっきりと現れます。
例えば、パートナーが面会謝絶のような重病の時に、その傍らにいて手を握る権利を、事実婚は与えてくれません。

法的に結婚していないパートナーは、往々にして、病院側から家族と見なされず、患者の元に行くことを拒まれます。
また、パートナーの死後、それまで生活を支えてくれていた、パートナーの財産を受け継ぐこともできません。
その結果、生活に困窮することも十分にあり得ます。

このようなときには、結婚制度によって守られている配偶者と、いわば心の繋がりだけの事実婚のパートナーには、大きな隔たりができます。

また、子供の養育にも、大きな違いがあります。
事実婚では、子供は両親のいずれかの戸籍に入るだけです。
この場合、子供は父母もどちらかの存在を失います。
戸籍はそれを明確に記載しますし、そのことで、子供は、戸籍上失った親からの財産や、社会的権利を受け継ぐ事ができなくなります。
普通に結婚して生まれた子供であれば、当然受けるべきメリットを失うのです。

結婚と事実婚との違いは法律に守られているか否か

結婚と事実婚の違いは、法的に守られた結婚であるか、心だけで繋がった結婚であるかの違いと言えるでしょう。
従って、本質的には、このふたつに、何も代わりはありません。
代わりがあるのは、法的、社会的な、いわば公の世界の問題だけであり、人の心の問題ではありません。

結婚を当人同士の心の問題と信じる人にとっては、結婚と事実婚の間に何ら違いはないでしょう。
しかし人間の生活は、残念ながら、心の問題だけで推し進めることは難しいのです。
法律は、法的繋がりを持たない相手を、家族とは呼びません。
従って、事実婚は結婚ではないのです。

この事実を踏まえるなら、後はその人の考え方次第でしょう。

先に述べたとおり、現代社会は、一人暮らしの不自由さを大きく改善しています。
つまりたった1人で自立して生きていくことが楽になった社会です。
それは同時に結婚によるメリットの享受を必要としない社会でもあります。

もし当人が、結婚によるメリットを必要としない、自立した存在であるなら、結婚と事実婚は全く同じものと言えるでしょう。