「恋と愛のちがいは?」という問いを、だれでも一度は自分に投げかけたことがあるのではないでしょうか。
大変哲学的であり、同時にきわめて現実的な、永遠の命題ともいえるテーマです。
ここではその違いについて、「現実的な心理や心情」に注目してご紹介します。
精神的に不安定なのが恋、安定しているのが愛
「今のこの気持ち、愛なの?恋なの?」という疑問を持ったことのある人は少なくないはず。
「今まさに、そういう気持ちになっている」という人もいるにちがいありません。
その疑問に自分で答を出すための、かんたんな方法があります。
それは「その対象者のことを考えたときの、自分の精神的安定度のセルフチェック」です。
相手のことを考えたとき、あるいは、相手と向き合ったり、離れたところから見つめているとき、あなたの精神状態はどうでしょうか。
もし「胸がときめく」「相手のちょっとした言動で心が揺れる」「相手と話していると、ふと「嫌われたのではないか」と不安になる」というように、精神的な起伏が激しく、安定しないようなら、それは「恋」です。
逆に、相手のことを考えたり見つめたり、あるいは二人で話したりしているとき、気持ちが常に安定しているなら「愛」と考えていいでしょう。
それをつきつめていくと、「最後に憎しみに変わることがあるのが恋、ありえないのが愛」ということになります。
失うことがあるのが恋、ないのが愛
「失恋」という言葉はありますが、「失愛」という言葉はありません。
つまり恋は失うことがあるのに対し、愛はないのです。
また、「恋に落ちる」という言い方をします。
そう、恋は「落ちる」ところからスタートし、最後は「失う」ものです。
前項では精神的安定度に注目して、その違いを説明しましたが、精神的なだけでなく、二人の関係そのものにも、同じようなちがいがあるのです。
要するに、「関係が不安定で、落ちたり失ったりすることがあるのが恋、関係が安定していて、そうした変化がないのが愛」ということができるでしょう。
逆に考えると、恋の場合、そのように関係が不安定だからこそ精神的にも不安定になるということになります。
自分本位なのが恋、相手本位なのが愛
自分の気持ちや損得が優先されるのが恋、相手の感情や損得を優先することができるのが愛という違いもあります。
よく「恋は奪うもの、愛は与えるもの」という言い方をしますが、それはつまり、「自分と相手のどちらを優先するかという違い」といっていいでしょう。
恋の場合、「今の自分のこの気持ちを満足させたい。
思いを成就させたい」という欲求に支配されます。
そのため、どうしても「~してほしい」という気持ちが優先され、ときには「もっと、もっと」という強い要求にエスカレートすることがあるのです。
それに対して、愛は常に「相手に~してあげたい」という思いを持ちます。
相手が喜ぶこと、得になることを考え、それを実践しようとするのですから、当然そこには「自我の強い主張」は生まれません。
そして、相手に与えることによって、「よかった」と自分も静かに満足するのが、愛というものです。
視野が狭くなるのが恋、広いのが愛
「ラブ・イズ・ブラインド」という歌がありました。
これは恋の本質を表現したタイトルと言っていいでしょう。
恋をすると、その相手のことに夢中になりますから、当然、視野は狭くなります。
よく「あなたしか見えない」という言い方をしますが、より正確にいうと「あなたと私の関係にしか目がいかない」ということになるでしょう。
つまり、「相手が自分をどんな目で見ているか」が最大の関心事ですから、それ以外の世界が目に入らなくなってしまうのです。
失恋の果ての犯罪行為などは、この狭い視野が引き起こす過ちの典型例です。
愛はちがいます。
常に大きな目で相手のことを見つめ、その広い視野の中に自分も入れることができます。
ですから、いつでも冷静で正しい判断ができるのです。
二人の距離をゼロにしたいと願うのが恋、一定の距離を保とうとするのが愛
相手との距離感にも、恋と愛のちがいがあります。
恋は精神的にも物理的にも、相手との距離をできるだけ縮めようとします。
たとえば、キス。
恋人同士の行うこの行為は、つまりそうした欲求を叶える行為と言っていいでしょう。
それに対して、愛の場合「距離をゼロにしたい」という欲求は持ちません。
前項で紹介したとおり、広い視野を持っているのが愛ですから、自然に相手と一定の距離を保とうとするのです。
もし、相手のほうが恋に落ちて、距離を狭めようとしてきたら、その思いを認めつつ、しかし安定した距離感を取り続けるのが愛ということができるでしょう。
恋と愛との違いをしって自己分析をしてみよう
ここでは、多くの人が興味を持っているテーマ、恋と愛の違いについて、心理的側面から5項目ご紹介しました。
もし今「自分のこの感情はどちらなのだろうか?」と思っているなら、上記を参考に自己診断してみてください。
また、そうでない人も、過去の経験と照らし合わせて、上記の5項目をチェックしてみるといいでしょう。
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