嫉妬と羨望の違いとは?嫉妬は不安から来て羨望は憧れから来る

「人を妬む」という意味で使われている「嫉妬」という言葉と「羨望」という言葉は、同じものであるかのように誤解されていますが、実はこれら2つの言葉の持つ意味は違うのです。

では「嫉妬」と「羨望」はどう違うのでしょうか。

そこで、この2つの違いについてご紹介します。

不安感から生まれる感情が「嫉妬」、憧れの思いから生まれる感情が「羨望」

嫉妬は、不安や恐れなど、自分の内側に生まれるネガティブな思いから生まれるものです。

例えば「恋人と愛し合っているにも関わらず、恋人の周りにいる異性に対して複雑な思いを抱く」という経験を持つ人は多いでしょう。

これは「自分の恋人を奪われるのではないか」という不安が心の奥に眠っていることの表れです。

この不安感こそが、嫉妬を生み出しています。

一方、羨望は、純粋な憧れの思いから生まれるものです。

例えば、華やかに輝く存在が身近にいると「自分のあの人のようになりたい」と、憧れや尊敬の思いを抱くことがあります。

しかし、最初は純粋な憧れや尊敬であっても、やがてそれが「自分が持っていないものを他人が持っている」ということに対して、怒りを感じてしまうようになります。

この感情こそが、羨望です。

嫉妬はネガティブな思いからスタートしている感情である一方、羨望は、どちらかと言うとポジティブな思いから生まれる感情であるということです。

嫉妬は心を閉ざすことに繋がり、羨望は相手を攻撃することに繋がることもある

嫉妬や羨望に心が支配されてしまった場合、どちらの感情に支配されたかによって、人間の行動は変わってくると言われています。

嫉妬に心を支配されてしまうと、心が悶々とした状態になり、気が重い毎日を過ごすことになります。

そして、心を閉ざし、愚痴や陰口ばかりこぼしながら過ごすようになってしまいます。

一方、羨望に心を支配されてしまうと、自分の内側で激しい怒りがくすぶり出し、自分で自分をコントロールできなくなるという状態にまで追い込まれます。

「自分にないものを持っている相手を許せない」という気持ちが燃え上がってしまい、最終的には「自分の上にいる存在は全て消し去ってしまいたい」という極端な思いを抱くようになります。

そして、最悪の場合、相手に攻撃を仕掛けてしまうという結果になることもあります。

嫉妬の場合は、自分1人が「暗くて感じの悪い人」になるだけで終わることがほとんどですが、羨望の場合は、相手に危害を加えることもあるので、場合によっては危険な感情であると言えるでしょう。

嫉妬は人生の停滞に繋がるが、羨望は前進していくためのエネルギーになることもある

嫉妬は、不安や恐れから生まれる感情であるため、人からどんどん前向きなエネルギーを奪っていきます。

その結果、目につくもの耳にするもの全てが嫉妬の要因となり、心がどんどん不安定になって「心が八方塞がりで身動きが取れない」という状態にまで人を追い込んでしまいます。

そして、その人の人生そのものを、ネガティブな状態のまま停滞させてしまうようになります。

一方、羨望の場合は、扱い方次第では、人生を好転させることにも繋がります。

羨望は、自分の憧れの対象に対する強い怒りを生み出しますが、この怒りを、前向きに努力するためのエネルギーに使い、大きな成功を収めている人もたくさんいます。

羨望によって生まれたエネルギーを、攻撃ではなく「自分が成功するための努力」に使うことで、人生を大きく好転させることができます。

嫉妬は自分で自分を貶めることに繋がり、羨望は今の自分を変えることに繋がる

嫉妬は「妬みによって生まれたネガティブな感情を自分の内側に押し込める」という性質を持ちます。

そのため、その感情を外に発散させることができず、常に1人で悶々とする状態へと繋がります。

その結果、自分を責めたり自己嫌悪をしたりすることに繋がります。

嫉妬は、自分自身を貶めることに繋がる感情です。

一方、羨望の場合は「自分にはない何かを持っている人に対する憧れ」から生まれた感情なので、この思いは裏を返すと「憧れのあの人のように、今の自分を変えたい」という願いでもあります。

そのため、羨望のエネルギーを適切に使いこなせば、今の自分を変え、大変身させることができます。

嫉妬は自分を貶めて、どんどん自分自身の質を下げてしまいます。

しかし、羨望は、正しい使い方をすれば、より質の高い自分へと脱皮することに繋がる感情です。

嫉妬と羨望の違いを知ろう

嫉妬は、妬みや恨みの感情が自分の内側にくすぶる状態へと繋がり、悶々とした思いのまま、自分の人生を停滞させることに繋がる感情です。

一方、羨望は「羨ましい」という思いから、爆発的な怒りのエネルギーを生み出します。

そのため、間違った使い方をすると、人を攻撃することに繋がりますが、正しい使い方をすれば、自分自身をより高めることに繋がる感情です。

どんどん人生を暗い方向へと向かわせるのが「嫉妬」、エネルギーを適切に使うことで人生の質を上げるチャンスに繋がるのが「羨望」であると言えるでしょう。

 

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