体臭がする時に考えられる病気は何があるか。卵の腐敗臭から魚臭さまで

体臭は汗などだけでなく、何らかの病気が原因の場合があります。

清潔にしていても体臭が取れない、いつもと違う体臭がするというときには、病気の可能性を疑ってみましょう。

ここでは、体臭別に考えられる病気をご紹介します。

卵の腐敗臭

胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍などの胃腸の病気の可能性があります。

胃腸の働きが弱くなると、消化不良を引き起こします。

消化不良により、食べたものが胃の中に長時間滞在すると、胃酸によって食べたものが異常発酵してしまいます。

さらに、胃での消化がうまくいかず、胃で分解されるはずのタンパク質が分解されないまま、小腸へと送られることがあります。

小腸はタンパク質を分解できないので、タンパク質は小腸の中で発酵してしまいます。

胃や小腸で異常発酵が起きたとき、卵が腐ったような臭い物質が発生します。

この臭い物質は消化器官を逆流して口臭となって排出されたり、血液に取り込まれ汗として排出されます。

このときの卵の腐敗臭は強烈なので、他人に気付かれやすい体臭です。

脂臭い

頭皮が脂臭いときは、脂漏性皮膚炎の可能性があります。

脂漏性湿疹ともよばれます。

脂漏性皮膚炎はカビの一種であるマラセチアが原因で起こる皮膚炎です。

肌のバリア機能や免疫力の低い赤ちゃんや高齢者によくみられる皮膚疾患です。

皮脂分泌が過剰な人もかかりやすいです。

甘酢っぱい臭い

糖尿病の可能性があります。

糖尿病になると、体内にケトン体という物質が発生し血液に取り込まれます。

ケトン体は血液中でアセトンという物質に変化します。

このアセトンが、砂糖のような甘い臭いをしているのです。

アセトンが汗と共に体外に出た時、甘酸っぱい体臭になります。

また、糖尿病になると汗をかきやすくなります。

さらに、糖尿病の人は脂質を多く含む食生活を好むことが多いため、汗と同っ時に皮脂の分泌も増え、さらに体臭が強くなります。

ドブくさい・カビくさい

肝機能の低下が考えられます。

肝臓はアルコールなど体内に取り込まれる毒素を分解する働きを担っています。

臭いの強いものを食べても、体臭がその臭いにならないのは、肝臓が臭い物質を分解してくれているためです。

もし肝臓の働きが低下すると、肝臓で分解されるはずの毒素が分解しきれなくなります。

肝臓で分解しきれなかった臭い物質は、消化器官を逆流し、口臭として体外に排出されます。

また、臭い物質が血液に混ざり汗と共に排出されることもあります。

このとき、ドブやカビのような臭いになります。

尿のような臭い

腎機能の低下が原因です。

腎機能が低下すると排尿がうまくできにくくなります。

尿として排泄されるべき毒素や老廃物が体内にたまり、血液中の毒素の濃度が高くなります。

この毒素が汗に混ざって体外に出るので、尿のような臭いの体臭になります。

便の腐敗臭

便秘が原因です。

肉が腐ったような臭いに感じることもあります。

便が腸内に長い間たまったままになると、悪臭を放つ有害ガスが発生します。

このガスは腸壁から吸収されて、体臭となります。

また、今まで体臭が気にならなかったのに、急に体臭がひどくなった場合、しかもその臭いが肉の腐ったような臭いのときには、肺の疾患が考えられます。

また、癌細胞が肉の腐敗臭を放っていることもあります。

魚臭い

魚臭症(トリメチルアミン尿症)とよばれる代謝異常の病気です。

遺伝で発症することが多い病気ですが、生活習慣や食生活の乱れから肝機能が低下したとき、後天的に発症することもあります。

この病気になると食べたものを消化するときに発生するトリメチルアミンという悪臭物質を肝臓で分解できず、汗や尿、呼気に混じって排出されるため、魚臭い体臭になります。

現在、この病気の治療法は確立されていません。

そのため、臭いをおさえるためには、できるだけトリメチルアミンを体内に取り込まないように食生活を気を付ける必要があります。

トリメチルアミンは魚や魚介類、乳製品や卵、肉などに含まれています。

他にも様々な病気の可能性が

体臭の原因となりやすい病気では、アポクリン腺という汗腺が多くわきの下が臭いやすくなる「わきが」や、日常生活に支障をきたすほど汗が出てしまう「多汗症」、新陳代謝を促進する甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることで汗や皮脂の分泌が多くなる「甲状腺機能亢進症」などがあります。

また、女性に多いのは貧血によるアンモニア臭です。

貧血になると、冷や汗をかきやすくなります。

このときの汗は通常の運動後の汗に比べてタンパク質やアンモニアが多く含まれています。

体臭が気になったらまず病院へ

このように、体臭から考えられる病気は様々で、中には命にかかわる病気もあります。

体臭が気になったら、病院にかかりましょう。

また、肝臓や腎臓の機能の低下は暴飲暴食など不規則な生活習慣が原因の場合があります。

規則正しい生活を心がけるだけで、体臭が改善されることもあります。

 

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