「つまらないものですが」と添える意味とは。日本人特有にへりくだり

最終更新日:2016年2月13日

何かを渡す際「つまらないものですが」と添えて渡すことが多い事でしょう。

本当につまらないものを渡しているという意味ではないことは誰でも知っていますが、どういった意味が込められているのかをご紹介します。

1.食べ物の場合、口に合うか分からないから

もし、贈り物が食べ物であった場合、相手の好みに合うかどうかわからないため「つまらないもの」と添えることがあります。

相手の口に合うか分からないが、良ければ受け取って欲しいという意味合いが込められています。

実際に中身がつまらないものという意味を示している訳ではなく、このように表現の違いで「つまらないもの」といった言葉を用いるのです。

もちろん自分の好み、相手が喜ぶであろう贈り物を選んでいても、相手が苦手だったり口にしないものである場合も考えられるためです。

あえて「私の好きなもの」「皆が喜ぶもの」と添えて渡してしまうと、相手も強要されているかのような誤解を生んでしまうこともあります。

食べ物に関しては、好き嫌いが生じてしまう為「お口に合うかどうか分かりませんが」という意味を込めているのです。


2.相手を敬う気持ちが込められている

相手を上の立場に見ていますという、謙虚な姿勢を表現する言葉でもあります。

自分が渡すものが大したものに感じられないかもしれない、相手にとっては喜ばれるものではないかもしれないといった意味を込めて、つまらないものという言葉を添えます。

この言葉を添えることによって、相手の立場を敬っていることが分かります。

自分の立場が下である、相手を尊敬しているといった意味を込めているということです。

へりくだった言葉をあえて使うことで、このように相手との立場を確認しているとも言えるでしょう。

例え贈り物が高価なものだったとしても、相手が自分より目上の人であったり、敬うべき存在の場合には、下からの姿勢を見せる表現方法として用いられるのです。

贈り物をする際には、多少なりとも自分がお世話になっている人であることも関係しています。

この時にはきちんとした関係性を示す機会となります。

「つまらないもの」という言葉によって、相手側が良い気分で受け取ることが出来る言葉でもあります。

3.価値観に違いが出るかもしれない為

相手にとっては「つまらないもの」に当たるかもしれないけど、私はあなたのことを思って一生懸命選びましたという意味を込めていることもあります。

価値観が人によって異なるのは当たり前のこと。

実際に受け取ったものが、自分にとっては大したことがないものだと感じる人も中にはいます。

このようにギャップが生じた時に、言い逃れとして添える言葉でもあります。

自分にとっては贈り物としてふさわしいと思って選んだことを、あえて「つまらないもの」と表現し、相手が受け取った後に万が一本当につまらないものと感じたとしても、添えられた言葉によって期待しすぎることはなくなります。

本当につまらないものを贈られたと思う人はごくわずかですが、価値観があまりにも違っていると、このようなパターンになりかねません。

それを事前に考慮して、言葉として添えることで、多少価値観がずれていても必死になって選んだという事は伝わります。

生活の仕方が異なるケース、立場がかなり違うケースといった場合には、このような問題が起きかねない為、あえてつまらないものという言葉を用いて、期待させないのです。


4.社交辞令の一環として

物を贈る際には、何か言葉を付け加えないと不自然です。

だからといって「これどうぞ」だけでは、相手もあまり良い印象を持たない。

昔からの社交辞令の一環として付け加えられているのが「つまらないもの」という表現です。

自分が大人になってから物を贈る際に、自然と出てきた言葉が「つまらないもの」というパターンは多いのではないでしょうか。

親や親戚が贈り物を交わしている際に、よく目にしてきた光景をそのまま覚えている為でしょう。

挨拶と同じように用いられていること、一言添えるために出来た言葉として「つまらないもの」と付け加えていることが考えられます。

謙虚な姿勢、へりくだった姿勢を表現する挨拶の言葉。

日本独特な形式かもしれまん。

自分の立場を下にして挨拶とするということを、昔から行っていた習慣であると言えるでしょう。

つまらないものですが、に秘められた意味を知ろう

「つまらないものですが」と物を渡す時、内心「つまらないものだなんて思いたくない」「高かったのに」と思うこともあるでしょう。

しかし、本当に「安物」「全然大したものではない」という意味を込めている訳ではないことを、ほとんどの日本人は心得ているはずです。

挨拶の代わり、渡す時の一言として用いられていて、そこには様々な意味合いが込められているのです。

近年では他の言葉を用いたり、あえて「つまらないもの」を避けて渡すことも多くなりましたが、このような言葉を用いる人にはこうした意味が込められていることを知っておくと、悪い気分にはならないでしょう。