最近の若者の傾向として言われることが、安定志向であることです。
野心家が少なく、出世なども望まない人が増えていると言われています。
では、このように安定を望む若者が多くなってしまった理由には、どのような事柄が影響しているのでしょうか。
今回は、安定志向の若者が多い理由をご紹介します。
将来がわかりにくくなった
安定志向の若者が増えた理由としては、将来がわかりにくくなったことがあげられます。
昔は終身雇用の企業が多く、一度務めた会社に長くいることが当たり前でした。
そのため、頑張れば頑張るほど上にいくことができると考える人が多く、早く出世をしようと仕事に励んでいた人が多くいたのです。
一方で、今の現状を考えると、終身雇用ですら危うくなっているといえます。
転職が当たり前の世の中になってきつつあることや、いつリストラにあうかもわからない状況になっています。
そのため、1つの企業で安定して働くということが難しくなっており、将来がわかりにくくなるといったことが起こっています。
このような状況下で、誰もが転職をしてバリバリ働きたいかといえばそうではありません。
転職が成功するかもわからない不安定な状況だからこそ、安定した企業に入り、できれば終身雇用で過ごしたいといった人が増加しています。
安定志向の若者が増えた理由は将来がわかりにくくなったからであり、リストラなどに巻き込まれない、安定した職業につきたいと願っているのです。
責任を負うことが嫌い
安定志向の若者が多い理由としては、責任を負うことが嫌いだからだといえます。
社会人になると責任が必要になることが増えますが、出世すればするほど責任というものは強くなってきます。
当然、この責任をモチベーションに変えて働く人もいますが、現在の若者は、この責任がプレッシャーになってしまう人が多いといえます。
責任をあまり受けないで働くには、あまり出世をしないことが条件となります。
そのため、頑張って出世しようとするのではなく、程々の地位で長く安定して働きたいな、という考えを持つことに繋がるのです。
このように、安定志向の若者が多い理由としては、責任を負うことが嫌いだからだといえます。
責任はプレッシャーになってしまう事が多いので、プレッシャーを感じずに、安定志向で仕事をしたいと思っているのです。
自信がないから
安定志向の若者が多い理由としては、自信がないことが原因だといえます。
最近の若者は自信が無い人が多く、挑戦することを恐れている傾向にあります。
その理由として、子供の時から比較されて育ってきてしまったり、不必要に怒られて育ってきたりと、子供の時の影響は強く反映されています。
成長期に自信を失ってしまった子供は大人になってからも自信は芽生えず、新しい物事に挑戦しようという気概を失ってしまいます。
自信がない若者がとる選択肢といえば、あまり失敗をしない選択肢です。
どんなことをするのであれ、失敗が少なく、誰にでもできてしまうような無難な選択肢を選んでしまいがちだといえます。
このような行動は安定志向であると判断でき、自信が無いことの表れです。
安定志向の若者が多いのは自信が無いからであり、失敗を恐れる気持ちが強かったり、挑戦する気持ちが失われているので、安定志向を目指してしまいます。
挑戦しても良いことが少ないから
安定志向の若者が多い理由としては、挑戦しても良いことが少ないからだといえます。
現代は頑張った人間が必ず報われるかといえばそうではなく、頑張っても評価されないような状況はよくあることだといえます。
例えば、年功序列の制度は典型的なものであり、実績よりも年齢が上に評価されます。
このような状況では頑張っても良いことはあまりなく、とりあえず自分も年齢を取ることを待っていたほうがいいだろうと考えてしまいます。
また、仕事などの評価は自身の手柄になるかといえばそうではなく、上司の手柄として扱われてしまうこともあるでしょう。
自分が頑張った仕事が他人の手柄となることが許せるものではなく、仕事を頑張る意欲、挑戦する意欲は失われていくのです。
このような状況にいる若者は、必然的に安定志向を選ぶことになってしまいがちだといえ、大きな物事に挑戦するリスクを負ったとしても、メリットがないと感じているのです。
メリットがないのであれば安定志向を選ぶことは当然だといえ、安定志向の若者が多い理由としては、挑戦してもあまり良いことが無いからだといえます。
若者が安定志向な理由を知ろう
安定志向の若者が多い理由としては、時代背景が大きく影響しています。
現代はリスクだらけであり、挑戦するメリットがあまりない時代だといえます。
大企業であっても潰れてしまうような世の中のため、リスクを取って大きくなるよりも、安定した生活で平和に暮らしたい人が多いのです。
若者の安定志向はメンタルの部分もありますが、先いき不安な社会情勢の影響を大きく受けているのです。
「安定志向な若い人が多い理由とは?時代や金銭面などが原因」への感想コメント一覧
最近は大手企業であっても、終身雇用が保証されるかと言えば、そんなことはないですよね。公務員が人気なのも頷けます。
今の時代背景を反映していて的を射ているなと思いました。生活基盤が安定しない限りは、あれこれ挑戦する意欲すら湧きません。
終身雇用や年功序列のある企業はもうほとんどない時代なので、安定して働くこと自体ができない。そんな世の中はつらいです。
よく世間は、安定志向は悪いと言っているが、しかし、若者の生活基盤が安定できない状況に苦しんでいるということを理解していない連中が平気で言っているのが、胸糞悪い。
もし若者の多くが、安定志向を抜け出したいなら、政府がキチンと若者の生活基盤を安定できるようにする経済政策や労働政策が必要であり、場合によっては国家が直接資本主義経済を運営するような開発独裁的な政策が必要だと思う。