ブランケット症候群とは、スヌーピーのアニメに登場するライナスという男の子が、いつも青いブランケットを引きずりながら持ち歩くことからついた名前です。
常に特定のものを持っていないとパニックになってしまう依存症のひとつです。
ブランケット症候群の始まるきっかけ
ブランケット症候群は、幼い子供がママから少しずつ分離していく時期に、分離していく不安を解消するためにママのかわりになるブランケットやぬいぐるみに執着して安心感を求める事がきっかけになります。
ブランケットやぬいぐるみが、母親のかわりをつとめるのです。
幼い子供がブランケットなどに執着する行為は、自立するための手助けとなり成長の大切な通過点となるため、無理に引き離さずに、本人の気がすむまで見守る方が良いと言われています。
無理に取り上げると、大きな心の傷になってしまうので大人になってもわだかまりが残るため、治すことに躍起にならないでください。
子供は母親から離れて自分の世界が広がりはじめて自分の世界が充実してくると、自然とブランケットから離れていくものです。
本人が社会とうまく関われるようになり、緊張感や不安感が自分でコントロールできるようになれば、ブランケットがなくてもやっていけるようになるので、親はその時期を焦らずに待たなくてはいけません。
なぜブランケットに執着するのか
ブランケット症候群は、本人の生まれもった性格が原因になることもありますし、親との関係がうまく築けていないことが原因になることもあります。
生まれもった性格の場合は、緊張しやすい、不安を感じやすく安全欲の強い性格の人がブランケット症候群になりやすいです。
親との関係から起因する場合は、親から無条件で愛された経験がないため人に対しての不信感がある、または親が自分の悲しさやさみしさをわかってくれないから、かわりにブランケットに頼るしかないといった状況からブランケット症候群になってしまいます。
親も人間ですので、子供の心を完全に満たしてあげることは難しいものです。
ある程度は、本人が社会の中で様々な経験を積んで乗り越えていかなくてはなりません。
しかし繊細でデリケートな人は、場合によっては大人になってもブランケットが手放せないこともあります。
ブランケット症候群は悪いことではない
ブランケット症候群は、ストレスや不安の解消方法のひとつのため、これでリラックスして気持ちをわらげられるのならば無理にやめる必要はありません。
ブランケット症候群は、病気ではなく症状なので治療の必要がないのです。
逆に治療が必要だと深刻に考えてしまうと、より一層ブランケットに依存してしまうため、ブランケットは自分にとってリラックスできる1つの手段であるというように考えましょう。
ただブランケットなどへの依存が強すぎて、日常生活を送ることが困難な場合は治療が必要になってきます。
日常生活が送れているのであれば、気にしすぎないようにしましょう。
ブランケット症候群を改善していくには
ブランケット症候群は、自分の気持ちにフタをして心の奥に感情をしまう人に見られます。
特にネガティブな気持ちが表現しにくい人は、大人になってからも安心をえるためにブランケットが手放せないのです。
自分の感情を抑圧してしまっているため、自分でも自分の気持ちがわからないのです。
何だかわからないけれど、心が強い不安を感じてしまうから、ブランケットに包まれて安心感を求めるのです。
子供の頃は、それでいいのかもしれませんが、大人になるとブランケットに包まれて現実から目をそらしていても、現状は解決せずにストレスがたまる一方です。
そのためには、まずは自分としっかり向き合って自分の気持ちを知ることで状況が改善していくのです。
自分のなかのネガティブな気持ちから目をそらさずに対処していくことで、理由のわからない不安に襲われることは少しずつなくなるはずです。
ブランケット症候群は再発することもある
子供の時にブランケット症候群がなおったと思っていても、何か強いストレスがきっかけで大人になって再び始まることもあります。
それは禁煙していた人がストレスが原因で、再びタバコを吸ってしまう感覚と同じようなものです。
大人がブランケットに執着する様子は違和感があるため、周囲も本人もショックが強いですが、ストレス発散を何かに依存している人は非常に多く、誰にでも見られることです。
ブランケットが手放せないことで周囲から評価されなかったり、自分の自尊感情も下がってしまう人もいますが、ブランケット症候群だけに注目するのではなく、それ以外の自分の頑張りに注目して自信を持ちましょう。
ブランケット症候群を知ろう
ブランケット症候群は、未熟で弱い人がなるというよりも、自分のネガティブな気持ちを押さえ込んでいる我慢強い人に見られます。
恐がらずに、自分の気持ちを1つひとつ丁寧に扱うことがブランケット症候群の人には大切です。
「ブランケット症候群とは?特定のものを持たないとパニックになる」への感想コメント一覧
私自身も、毎日幼少のころは同じウサギのぬいぐるみを抱えて寝ていました。それが、ないと落ち着かないのです。今思えば、確かに弟が産まれたばかりで不安だったのでしょう。まさしく、ブランケット症候群ですね。