ブルームーンと聞くと、なにかロマンチックな感じがしますよね。
今年になってから「ブルームーン見た?」と聞かれた事はないでしょうか。
ブラックムーンは新月だし、ブロッドムーンは赤い月。
きっとそのような感じなのかな?と、知らずに、とりあえず曖昧に返事をしてしまった方はいませんか?
初めてブルームーンという言葉を耳にした方にも、今回はブルームーンの正体をご紹介します。
ブルームーンの意味はひとつではない
ブルームーンという言葉はいくつかの意味を持っています。
英語でblue moonが表記された最古のものは1528年です。
随分古くからあるものなのですね。
ブルームーンの起源はbetrayermoonとして記され「裏切り者の月」閏年を表すものでした。
しかし現代ではこの意味はすっかり失われています。
四季咲きするバラの名前がブルームーンのものもあります。
青い花を咲かせるので別名を「ブルームーン」と呼ばれるルリマツリという植物もあります。
勿論これらは別の、本来の意味から追って付けられたものです。
花の名の由来になったブルームーンの意味とはなんでしょうか。
これらの植物の名の由来でのブルームーンは、ずばり、名実共に「青い月」です。
青い月であるブルームーンを見られる事は稀ですが、火山噴火の際の塵や隕石落下で起きるガスなど、大気中にある物質の関係で月が実際青く見える事があり「ブルームーン」と呼ばれます。
最近では1991年にフィリピンのピナトゥポ山の噴火の時にブルームーンが観測されました。
1883年に起きたインドネシアのクラカタウ火山噴火の際には、2年もの間現地で「青い月」、ブルームーンが見られたという報告もあります。
1950年にはスウェーデンで、51年にはカナダで森林火災が起きた際に観測されました。
ブルームーンといって一番想像しやすいのは、名実ともの「青い月」ですね。
では、他にはどのような意味があるのでしょうか。
農暦として登場したブルームーン
ロマンチックとはほど遠い、農暦という実用性のある所でも、ブルームーンという言葉が用いられていました。
暦は農業を行う上での大事な目安になります。
アメリカのメイン州では、季節を四分の春夏秋冬に分け、そのうちの一季節だけ満月が4つあるときにその季節の3回目の満月をブルームーンと呼んでいました。
月の満ち欠けのサイクルは約29.53日で行われているので、グレゴリオ暦カレンダーとの日付の関係で2-3年に一度、ひと月に2度満月がある月が生じてくるんですね。
そうなると、ブルームーンは19年間にたった7回しか起きません。
珍しいとか、稀にしかおきないこと、と呼ばれる由来にもなったのも納得がいきます。
ちなみにメイン州の農暦ではブルームーンの他に、各月ごと呼び名があります。
「タマゴの月」Egg Moon
「乳の月」Milk Moon
「花の月」Flower Moon
「干し草の月」Hay Moon
「穀物の月」Grain Moon
「果実の月」Fruit Moon
「収穫の月」Hervest Moon
「狩人の月」Hunter’s Moon
「ユール前の月」Moon Before Yule
「ユール後の月」Moon After Yule
「狼の月」Wolf Moon
「四旬説の月」Lenten Moon
と続きます。
カレンダーからはじかれた月をブルームーンと呼んでいたんですね。
近代よく言われるブルームーンの意味とは
どの定義で使われるブルームーンも「滅多に起きないこと」「稀なこと」として定義され、その昔、遡ると「不吉の予兆」と伝承されていた時代もありました。
うってかわって現代ではブルームーンを見ると良い事がある、と言われる兆候にあります。
見ると幸せになると言われる「ブルームーン」の定義は、ひと月に2度満月がある時の、2回目の満月のことです。
実はこれ、1946年に発刊された天文雑誌によって、メイン州がブルームーンと呼んでいる、春分 夏至 秋分 冬至で区切られた季節のうちで4回満月があったら、3つ目をブルームーンと呼ぶという説明を誤解したものです。
「ひと月に2度ある満月の2回目の満月をブルームーンとよぶ」と掲載されたのが発祥です。
当の雑誌であるアメリカ合衆国発刊のアマチュア天文雑誌の「スカイ&テレスコープ」誤りを認めましたが、いつの間にかそのまま定着して現在に至ります。
今年の1月31日は、まさにブルームーンでした。
なんと皆既月食も同日にあり、とても珍しい現象だったんですね。
数年に一度起こるといわれているブルームーンですが、なんと2018年の3月に、もう一度見られます。
今度の「ブルームーン」は3月31日、夜空に浮かぶ満月を見てしっかり幸福をつかみましょう。
稀におこるブルームーン
どの定義でも「珍しくなかなか起こらないこと」だということだと釘を打たれている様ですね。
以前は忌み嫌われてた「珍しい」出来事のブルームーンは、現代になって「なかなか訪れないチャンス」に意味を変えて根付いています。
2018年3月31日のブルームーンを逃すと、次に訪れるブルームーンは2020年です。
これを機会に夜空を見上げてみてはいかがでしょうか。
「ブルームーンて何?次は2018年3月31日にブルームーンが訪れる!」への感想コメント一覧
この日のブルームーンを彼氏と見ました!テレビで今夜はブルームーンだと知って、なんとなく見たのですが、ブルームーンにこんな定義があるとは知りませんでした。2020年もまた見たいです。