女性に人気の高い資格の一つである栄養士。
では、具体的に栄養士の資格はどのように取得すればよいのでしょうか。
また、栄養士の資格を持っていると、どのような職場で活躍できるのでしょうか。
今回はそんな栄養士の概要と資格取得についてご紹介します。
栄養士の資格を取得するにはどうしたらよいのか
栄養士は国家資格です。
そのため、国の定めた教育機関で二年以上勉強し、必修単位を取得しなければなりません。
一般的には二年生の短期大学や専門学校、三年生の専門学校や四年生の大学などが一般的な教育機関です。
栄養士を目指す人は女性が多く、短期大学の中には男性が入学出来ない学校も多いことから、男性の栄養士は数が圧倒的に少なくなっています。
栄養士の資格を取得するために必要な単位の数は、50単位にも上ります。
その内容は、専門基礎分野と専門分野、校外学習の三つから構成されています。
専門基礎分野とは、社会福祉学や人の体の仕組み、食品の種類や特徴を学ぶ食品学、細菌などについて学ぶ衛生学などです。
また、専門分野として基礎栄養学や臨床栄養学の講義及び実習などのほか、栄養教育学、調理学などを学びます。
校外学習では、学校から外に出て実際栄養士が活躍する現場で五日間実習することが義務付けられています。
それらの単位を全て履修し学校を卒業した後、各都道府県にそれを申請します。
すると、はじめて各都道府県知事によって栄養士として登録され、免許状が届きます。
この免許状が手元に届いて、初めて栄養士になれるのです。
栄養士の活躍場所
栄養士の資格を取得した人の就職先として、誰もが思いつくのが給食センターではないでしょうか。
しかし、実際に給食を調理しているのはパートの調理師さんたちです。
栄養士の仕事は、管理栄養士の指導のもと、給食の献立のメニューを考えるのが主な仕事です。
また、その活躍の場は非常に多岐に渡ります。
近年、アレルギーの子供への対策として園内調理を行う幼稚園や保育園が増えてきました。
その幼稚園や保育園の一軒一軒に栄養士がいるのです。
仕事は、保育園や幼稚園の園内給食の献立の立案と管理です。
アレルギー対応のメニュー作成など、専門性も要求される分野です。
また、入院施設のある病院でも栄養士が活躍しています。
様々な患者さんの症状や状態によって、いくつかのメニューを作成しなくてはならず、臨床栄養学の知識が生かされる職場です。
同じように、老人ホームやグループホームなどのお年寄りの多い場所でも臨床栄養学が生かされています。
栄養士は、その人の状態によって、食材をゼリー状に固めたり、ミキサーに掛けたり、細かく砕いたりして与えるといった細かい指示まで要求されます。
また、栄養士の中には一般的な食品関係のメーカーに、食品の開発をする職として就職する人もいます。
栄養学の知識を活かしてスポーツジムで、活躍する人もいたりと活躍の幅が非常に広いのが特徴的です。
栄養士の待遇
就職先が非常に多岐に渡るので一概に待遇を語るのは非常に難しい問題です。
しかし、栄養士の場合は雇用主から直接雇用されている場合と、契約社員派遣社員といった場合で間接的に雇用される場合があります。
学校給食関係など、公務員として直接雇用されている場合は、一般の公務員と待遇の差はありません。
産休育休も非常に取得しやすく、職場復帰も可能です。
また、仕事内容もデスクワークが中心で事務的なものです。
しかし、間接的に雇用されている場合は、話が違います。
食事を作っている一つの事業所に原則一人以上の栄養士が必要となるので、最悪の場合は職場に自分一人しか栄養士がいないといった場合もあります。
そのような時は、デスクワークだけしていればよいといったわけにはいきません。
人手が足りないので、栄養士も調理場に入り、調理員さんと一緒に食事を作らなければならなくなります。
また、肉体労働をしなければならないだけではなく、その職場で働く調理員さんたちを束ねて管理することも仕事内容に含まれてくるのです。
ベテラン主婦の調理員さんに、調味料や調理法を説明して指導しても言うことを聞いてくれないこともあったりと、人間関係が大変なこともあるそうです。
現場に栄養士が一人だけでは、風邪などの緊急時になかなか休みを取ることも出来ないため、そういった職場の栄養士を指して栄養士は待遇が悪いと言われることも多々あります。
しかし、会社やスポーツクラブ努めの栄養士の人は、待遇面で一般的な会社員と大きな差はないと考えてよいでしょう。
管理栄養士への道もある
もし、栄養士という待遇に不満が会った時、栄養士のさらに上の資格を目指すといった方法があります。
それは管理栄養士という資格です。
一定の条件を満たした栄養士資格のある人を対象として、厚生労働省が行う国家試験に合格した人のみに与えられる国家資格です。
四年生の大学を卒業した人の場合は、卒業時に受験することも可能です。
栄養士の待遇に不満を感じたら、こちらに挑戦してみてはいかがでしょうか。
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