ストレスや緊張によって、お腹がキューッと痛くなる体質の人は少なくありません。
これは、体質と言うよりも病気と言った方がいいかもしれません。
病気ですから、それ相応の対処をしなければ、いずれ大変なことになる場合もあります。
今回は、そんなストレス性の腹痛の対処法について考えましょう。
過敏性腸症候群を知る
強いストレスによって腹痛が起こったり、お腹が下ったりする人は、「過敏性腸症候群」という病気の可能性が高いです。
脳がストレスを察知すると、神経伝達物質のセロトニンが分泌されますが、このセロトニンの影響を腸が過敏に受けてしまい、腹痛や下痢を引き起こすのです。
セロトニンと言えば、脳から出る物質として名前を聞くことが多いと思いますが、実際は脳だけでなく腸にも存在する物質です。
このセロトニンのコントロールが、過敏性腸症候群の鍵を握っていると言っても過言ではありません。
また、ストレスが溜まりやすい人は、下痢だけではなく便秘もしやすい人が多いです。
そのため、極度の緊張による急な下痢も、便秘が邪魔してすぐに出すことができず、長時間かけてトイレで苦しむことになるのです。
まずは、自分がこんな病気だと理解することから始めて、これからお腹が痛くなる状況に置かれた時の対策を考えましょう。
お腹が痛くなりそうな場面では、トイレの確保をしよう
この過敏性腸症候群によってお腹が痛んでくると、もう便を出し切るしか対処が無いことが多いです。
そんな時のために、常にトイレの場所を確保しておくようにしましょう。
大事な場面だからと、トイレに行きたいのを我慢し続けると、腹痛が強くなって血圧が下がり、倒れてしまうことになりかねません。
ちょっと中座してトイレに行くのと、倒れて周囲に迷惑をかけるのとでは、恥ずかしくてもトイレに行った方がマシです。
お腹が痛くなったら、トイレに行く勇気を持ちましょう。
普段からストレスを溜めないようにしよう
会議や不意に緊張する場面でストレスが溜まることは避けきれませんが、普段からストレス解消に努めることはできますよね。
ストレスによってお腹が痛くなる人は、その場だけの急激なストレスのみのせいで腹痛が起こると考えがちですが、それは間違いです。
普段から少しずつ蓄積されているストレスに加えて、一度に大きなストレスがのしかかるために、腸にまで影響が出ると考えて下さい。
ですから、普段からストレスを溜めない、溜まったものはうまく解消するようにすれば、大事な場面での腹痛の頻度は下がってくるはずです。
ストレス解消は人によりけりですが、自分に合った方法でストレスと付き合うようにしましょう。
運動習慣を付ける
適度に身体を動かすと、ストレス解消になるほか、身体の機能が正常に働きやすくなります。
もちろん、腸も運動によって健康な状態に近づきます。
ある程度腸が正常に働いていると、急な腹痛が起こりにくくなり、ストレスを感じても、それほどひどい腹痛にはならずに済みます。
また、運動は便秘解消にも効果があります。
座りっぱなしの仕事をしていると、腰の動きが少ないせいで腸が鈍り、便秘になりやすいのです。
便秘の後の下痢のつらさは、想像を絶するものがあります。
それを避けるためにも、運動習慣は付けておくべきでしょう。
食生活も気を付けよう
ストレス性の下痢だとしても、食生活は重要です。
特に、冷たいものや刺激物は、ストレス以前に下痢の原因となりやすい食品ですから、それらはなるべく避けるようにした方が良いでしょう。
あとは、体質にもよりますが、乳製品やアルコールなども、下痢を引き起こす元となる場合があります。
これらの食品を避け、お腹に優しい温かいものや消化の良いものを意識して食べることで、お腹を下す頻度が下がりますし、ストレスで過度の腸の動きがあっても、それほどひどい下痢にならずに済みます。
便秘を併発するタイプなら、食物繊維を多めに摂るようにすることも、大事です。
それでもダメなら病院へ
以上のような対処を取っても、ストレス性の腹痛に悩まされるようなら、一度病院へ行ってみることをオススメします。
治療法としては、薬による治療が主となります。
整腸を目的とした薬を出されることもありますし、ストレスに働きかける薬を出される場合もあります。
それは、その病院の方針や、あなたが置かれている環境などによって変わってきます。
自己管理でどうにもならないのですから、無理し続けるよりも、病院に頼った方が楽です。
ここは、面倒がらずに病院に行く方が得策です。
ストレスでの腹痛はつらいなら病院へ
ストレス性の下痢、特に過敏性腸症候群について、詳しくご紹介しました。
過敏性腸症候群は立派な病気です。
ただの体質だと思って無視せずに、しっかり対策を取ることによって、生活がぐっと楽になるはずです。
そして、本当につらいなら、病院に行く勇気も持ちましょう。
常にお腹の具合を気にして制限ある生活をするくらいなら、できることをした方がずっと簡単です。
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