ユニクロの価格が最近高い!?なぜ服の値段が上がっているのか

最終更新日:2016年5月13日

「安くて高品質」を売りに、安定した成長を遂げ、私たちの生活に密着した大企業として認知されてきたユニクロですが、ここにきて成長率、売上共に徐々に陰りを見せはじめています。

その最大の理由は、安さが売りだったはずの同社が「ユニクロは高い」と一般消費者の印象が変わってきたためだと考えられます。

では、何故ユニクロは高くなってしまったのでしょうか。

1.円安による影響

ここ数年に見られる円安基調に受けて、ユニクロでは、その煽りを間接的にではありますが、大きな影響を受けています。

ユニクロでは、現在、原材料のほとんどを輸入に頼っているため、円安の影響により輸入コストが増大しています。

さらに悪いことに、猛暑による不作や中国市場をはじめとする、新興国の経済成長に伴い、需用が増大しており、綿(コットン)などの国際的な相場が上がっていることも価格高騰に拍車をかけています。

また、ユニクロの工場は、中国の香港や東南アジアのベトナムのような海外拠点に多くの生産工場を構えています。

そのため、関税等の影響も少なからず受けており、その分が価格に反映されて上乗せされているという見方もできるでしょう。


2.人件費コストの増大

先に触れたとおり、ユニクロは海外拠点に工場を多く有していますが、総じて給料の問題が出てきています。

当初は、人件費が安いことを理由に工場を作りましたが、近年、新興国の経済発展により、現地の生活水準が上がり工賃の上昇が余儀なくされている傾向が強くなってきました。

とりわけ中国の経済成長は著しく、当初のメリットがなくなりつつあるため、深刻な問題として表面化してきました。

さらに、国内の従業員の給与も一般的なアパレル企業と比べると高く、ホームページ等で一般公開されていますが、初任給で年収400万円以上、30代で1000万円も実現可能で、役員となると億を降らないと言われています。

こうした人件費も少なからず商品価格に影響をもたらしています。

3.原材料高騰に伴う一斉値上げ

ユニクロでは、原材料の高騰を理由に2014年の秋冬物から一斉に値上げを発表し、ここ2年で、実際に5〜10%の値上げに踏み切りました。

この出来事が、昔は安かったユニクロというイメージに変わる転機だったのかもしれません。

結果として客離れは進み、2016年8月期の四半期決算によると、売上高については微増となりましたが、純利益はおよそ55%減と厳しい結果となっています。

国内市場に限っていうと減収減益であり、客離れの実態が顕著に数字としても現れ、その影響がみてとれます。

現時点では依然黒字化はしているものの、このことからも外部要因による厳しい台所事情をうかがい知ることができます。


4.ユニクロブランド化戦略の低迷

ユニクロは「安い」という定着したイメージを根底から覆すような高級志向のハイブランド戦略を打ち出しました。

その旗頭として、ユニクロ銀座店がオープンしましたが、大衆店としてのイメージは拭いきれず、客層を取り込むという意味合いでは成功しているとはお世辞にも言えない状況となっています。

いかにユニクロが世界的に認められる企業に成長したとはいえ、消費者がユニクロに求めるものは、安さであり、さらにいえば「安い割に品質が良いもの」であり、GUCCIやヴィトンなどのブランドのような高級感やブプレミアム感を求めてはいませんでした。

そこに消費者と経営層にギャップや齟齬があった結果といっても過言ではないでしょう。

5.過大投資による反動

前述の銀座店の出店をはじめ、ユニクロは国内、海外問わず、多数の出店計画を進めてきました。

これまで「薄利多売」であっても安定的な成長を遂げていた同社ですが、客離れが進み「停滞」している今となっては投資過多による反動は否定できません。

さらに、ユニクロでは広告費等のコスト割合も一般企業と比べて、2倍から4倍の経費割合をかけていると言われています。

実際に統計を見らずとも、あれほど毎日目にするようなテレビCMなどからも宣伝費に膨大な費用をかけていることは明らかです。

いかに大企業とはいえ、その宣伝費や広告費が少なからず商品の価格にはね返っていることも忘れてはならないでしょう。

ユニクロ(ファーストリテイリング)の社長をこうした状況を認め「成長」ではなく「膨張」と発言しています。

ユニクロが高くなっていると感じる理由を知ろう

こうした理由があるにせよ、事実、ユニクロの商品は「高く」なっています。

しかし、価格高騰に伴う客離れを受けて、ユニクロ(ファーストリテイリング)の柳井社長も「コスト構造に問題がある」とはっきりと認め、原点回帰を示唆する発言をしています。

私たちがかつて持っていた「安くて高品質のユニクロ」のイメージがまた戻ってくるか否かは、これからの企業戦略、方向性、社長をはじめとする経営陣の手腕にかかっていると言っても過言ではないでしょう。